21年度薬価改定が告示…初の中間年改定
厚生労働省は3月5日、初の中間年改定となる2021年度薬価改定を官報告示した。改定の対象は、昨年の薬価調査で平均乖離率が5.0%を超えた品目で、全体の69%が対象となる。
新薬創出加算が適用されるのは351成分539品目。昨年4月の前回改定より16成分増えた。加算品を持つ企業は87社(前回改定から3社増)で、加算を満額取得できる「区分I」は21社(前回改定と同数)、1割減となる「区分II」は58社(3社増)、2割減となる「区分III」は8社(前回改定と同数)だった。加算品が最も多いのはノバルティスファーマ(27成分49品目)で、以下、ヤンセンファーマ(21成分32品目)、サノフィ(20成分28品目)、武田薬品工業(18成分35品目)、ファイザー(17成分30品目)と続いた。
基礎的医薬品の薬価を維持するルールの対象となったのは306成分823品目。長期収載品の薬価を引き下げる「G1」ルールに基づいて、初めて先発医薬品2成分が市場から撤退する予定であることも明らかになった。
武田、モデルナの新型コロナワクチンを申請
武田薬品工業は3月5日、米モデルナの新型コロナウイルスワクチンを日本で申請したと発表した。国内では現在、武田が健康成人200を対象とした臨床第1/2相(P1/2)試験を実施中。結果は5月にそろう予定という。モデルナのワクチンはmRNAワクチンで、日本には5000万回分が供給されることになっている。
大日本住友、ナパブカシンの全試験を中止…大腸がんP3失敗を受け
大日本住友製薬は3月5日、抗がん剤として開発中のナパブカシンについて、結腸直腸がんを対象としたP3試験に失敗したことを受け、肝細胞がんなどを対象に行っているすべての試験を中止すると発表した。これに伴い、関連する仕掛研究開発を全額減損し、269億円の減損損失を計上する。
ナパブカシンは、2012年の米ボストン・バイオメディカル(現スミトモダイニッポンファーマオンコロジー)買収で獲得した開発品。がん幹細胞を攻撃するとされ、ブロックバスターになると期待していたが、これまでに胃がんや膵がんでもP3試験に失敗している。
【AnswersNews編集部が製薬企業をレポート】
・武田薬品工業
・大日本住友製薬