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製薬業界 きょうのニュースまとめ読み(2020年7月31日)

更新日

 

米ファイザー、新型コロナワクチン6000万人分を日本に供給

米ファイザーは7月31日、独ビオンテックと共同開発している新型コロナウイルスワクチン6000万人分(1億2000万回分)を供給することで日本政府と合意したと発表した。実施中の治験が成功し、規制当局の承認が得られれば、来年の上半期から供給を始める。ファイザーとビオンテックのワクチン「BNT162」はmRNAワクチン。現在、海外で臨床第2/3相(P2/3)試験が行われている。日本政府は、英アストラゼネカともワクチン供給に向けた協議を進めている。

 

JCR、新型コロナワクチン原液製造へアストラゼネカと協議

JCRファーマは7月31日、英アストラゼネカが開発している新型コロナウイルスワクチン「AZD1222」について、国内での原液製造に向けて同社と協議を始めると発表した。日本政府は6月から、アストラゼネカと同ワクチンの日本への導入について具体的な協議を行っており、国内での製剤は第一三共やKMバイオロジクスが受託する予定となっている。

 

武田、pevonedistatがブレークスーセラピー指定

武田薬品工業は7月31日、開発中のNEDD8活性化酵素阻害剤pevonedistatについて、高リスク骨髄異形成症候群を対象に米FDA(食品医薬品局)からブレークスルーセラピーの指定を受けたと発表した。米国では、高リスク骨髄異形成症候群に対する新規治療は10年以上登場していないといい、承認されれば治療選択肢の拡大が期待される。

 

小野「ONO-5334」新型コロナ治療薬としての開発見送り

小野薬品工業は7月30日、英科学誌「ネイチャー」で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬として有望と報告された「ONO-5334」の開発を見送ると発表した。ONO-5334はカテプシンK阻害薬で、小野が骨粗鬆症治療薬として開発していたが、競合状況などを踏まえて2012年に開発を中止した。ウイルス感染抑制効果を検討した結果、COVID-19向けに6月から臨床試験を行っているタンパク分解酵素阻害薬「フオイパン」(一般名・カモスタットメシル酸塩)のほうが効果が高いと判断。投与経験が豊富で安全性への知見があることなども踏まえ、フオイパンの開発に注力することにした。

 

JCRファーマ「テムセル」生産拡大へ設備投資

JCRファーマは7月31日、再生医療等製品「テムセル」の生産能力拡大に向け、西神工場(神戸市)に生産ラインを増設すると発表した。総工費は約2億円で、設備投資によって生産能力は3割増加する。稼働開始は来年5月の予定。

 

シミックHD、20年9月期業績予想を公表…営業益は48%減

シミックホールディングス(HD)は7月31日、新型コロナウイルス感染症の影響により今年5月の第2四半期決算発表時点で「未定」としていた2020年9月期の通期業績予想を公表した。CSO事業やCDMO事業の拡大で売上高は前期比0.8%増の750億円となる一方、新型コロナウイルスの影響で治験の遅れや延期があったCRO事業で苦戦し、営業利益は47.8%減の23億円となる見込み。

 

決算

鳥居薬品(2020年1~6月期、7月31日発表)

売上高198億5700万円(前年同期比4.0%減)、営業利益27億3800万円(841.3%増)。薬価改定の影響を販売数量の増加でカバーしたものの、抗HIV薬の流通経過措置に伴う手数料収入が減少したことで減収となった。一方、営業利益は、販管費や研究開発費の減少に加え、昨年行った早期退職の効果もあり大幅な増益。20年12月期の業績予想は、売上高409億円(前回予想比7億円減)、営業利益37億円(7億円増)に修正。佐倉工場の売却で受託製造の売り上げが減少するものの、新型コロナウイルスによるMRの訪問自粛で販売費の減少を見込む。

 

AnswersNews編集部が製薬企業をレポート

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