小野「オプジーボ」未治療の進行・再発胃がんへの適応拡大を申請
小野薬品工業は5月14日、免疫チェックポイント阻害薬の抗PD-1抗体「オプジーボ」(一般名・ニボルマブ)について、治癒切除不能な進行・再発胃がんへの適応拡大を申請したと発表した。申請はHER2陰性の未治療患者を対象に行った、化学療法との併用療法に関するプラセボとの比較試験のデータに基づく。進行・再発胃がんの適応では、2017年に化学療法後に増悪した患者を対象とする単剤療法が承認されている。
沢井 来年4月に持株会社体制に移行、新規事業育成へ
沢井製薬は5月14日、2021年4月1日をめどに持株会社体制に移行することを決めたと発表した。持株会社の設立に伴って沢井製薬は上場廃止となるが、持株会社は東証一部にテクニカル上場を申請する予定で、実質的には上場を維持する。同社は持株会社化によって、後発医薬品事業だけでなく、予防や未病などの新規事業育成に取り組む体制を構築。外部との提携の加速やグループ経営の効率化も目指す。
決算
アステラス製薬(2020年3月期、5月14日発表)
売上収益1兆3008億4300万円(前期比0.4%減)、営業利益2439億9100万円(0.0%増)。主要製品の前立腺がん治療薬「イクスタンジ」(4000億円、20.1%増)や急性骨髄性白血病治療薬「ゾスパタ」(143億円、467.6%増)が伸長。国内は、新発売の骨粗鬆症治療薬「イベニティ」(236億円)が貢献したものの、喘息・COPD治療薬「シムビコート」やワクチンの販売移管などで6.5%の減収となった。21年3月期は、売上収益1億2820億円(1.4%減)、営業利益2520億円(3.3%増)。
大正製薬ホールディングス(2020年3月期、5月14日発表)
売上高2885億2700万円(前期比10.3%増)、営業利益214億6000万円(31.2%減)。ベトナム・ハウザン製薬と仏UPSAを連結子会社化したことで費用がかさみ、大幅な営業減益となった。医薬事業の売上高は、2型糖尿病治療薬「ルセフィ」(71億円、27.0%増)などが伸びたものの、長期収載品の落ち込みで15.9%減の685億円。海外が好調だったセルフメディケーション事業は22.2%の増収となった。21年3月期は、売上高2895億円(0.3%増)、営業利益200億円(6.8%減)を見込む。
沢井製薬(2020年3月期、5月14日発表)
売上収益1825億3700万円(前期比1.0%減)、267億9300万円(3.9%増)。国内で2016~18年度に収載された品目は堅調だったものの、インフルエンザのピークアウトが早かったことなどが減収の要因となった。21年3月期の業績予想は、売上収益2002億円(9.7%増)、営業利益268億5000万円(0.2%増)。
東和薬品(2020年3月期、5月14日発表)
売上高1103億8400万円(前期比5.0%増)、営業利益161億4300万円(1.1%増)。過去数年間の追補品が順調に推移し、昨年10月の消費増税に伴う薬価改定の影響をカバーした。21年3月期は売上高1500億円(35.9%増)、営業利益143億円(11.4%減)を予想。今年1月に子会社化したスペイン・ペンサが連結対象となることで増収を見込むが、統合費用と売上原価率の上昇で減益となる見通し。
ヤクルト本社(2020年3月期、5月14日発表)
医薬品製造販売事業は、売上高196億7000万円(前期比9.3%減)、営業利益は8億1100万円の赤字(前期は18億300万円の赤字)。消費増税に伴う薬価改定によるマイナスが響いた。21年3月期は、売上高175億円(11%減)、営業利益は5億円の赤字を予想。
メディパルホールディングス(2020年3月期、5月14日発表)
売上収益3兆2530億7900万円(前期比2.2%増)、営業利益531億900万円(6.6%増)。医療用医薬品等卸売事業は、抗がん剤などの新薬が伸び、売上高2兆1418億円(1.8%増)、営業利益260億円(16.0%増)だった。新型コロナウイルス感染症の影響を算出できないとして、21年3月期の業績予想の開示は見送った。