アルフレッサHD 鹿目会長が退任、談合疑惑で経営刷新
アルフレッサホールディングスは5月12日、鹿目広行代表取締役会長が6月25日付で退任すると発表した。久保泰三代表取締役社長は取締役会長に就き、後任には荒川隆治専務執行役員が昇格する。地域医療機能推進機構が発注した医療用医薬品の入札をめぐる談合疑惑で公正取引委員会の強制検査を受けたことを踏まえ、経営体制を刷新する。あわせて、独立社外取締役を委員長とする役員人事・報酬等委員会の機能強化など、ガバナンスの強化策も発表した。
ケミファ、抗菌薬「クラリシッド」をマイランから承継へ
日本ケミファは5月12日、マイランEPDが製造販売しているマクロライド系抗菌薬「クラリシッド」(一般名・クラリスロマイシン)について、ケミファに日本での販売を移管し、製造販売承認を承継すると発表した。今年7月1日付で販売移管した後、必要な手続きを経て承認を承継する。同薬の2019年度の売上高は約24億円(薬価ベース)。ケミファは承継によって製品ポートフォリオを強化するとともに、既存のジェネリック医薬品事業とのシナジー創出を目指す。
小野 米国にベンチャー投資ファンドを設立
小野薬品工業は5月12日、創業初期のバイオベンチャーに投資する投資ファンドを設立するとともに、同ファンドを管理運営する米国子会社を設立すると発表した。新薬創出に向けた創薬標的や先端技術の獲得が目的。
キョーリンHDの新中計、年平均5%の売り上げ成長目指す
キョーリン製薬ホールディングスは5月12日、2020~23年度の中期経営計画を発表した。10~23年度の長期ビジョンの3段階目との位置付けで、医療用医薬品事業と検査機器など感染関連事業を複合したソリューション提供型への変貌を目指す。売上高の年平均成長率5%以上、売上高に占める研究開発費控除前営業利益の比率20%以上を目標に掲げ、新薬の成長加速や後発医薬品のコスト競争力強化などに取り組む。
キッセイが新中計、24年度に売上高870億円以上
キッセイ薬品工業は5月12日、2020~24年度の5カ年の中期経営計画を発表した。市場環境や製品ポートフォリオ、開発パイプラインの変化を踏まえ、前の5カ年中計を3年で打ち切り、新たな中計を策定した。新製品の売り上げ拡大や導入による製品ラインアップの強化などを通じ、最終年度に売上高870億円以上(19年度は632億円)、営業利益90億円以上(同18億円)を目指す。
日医工、メドピアと合弁会社…クリニック支援で共同事業
日医工は5月12日、メドピアとクリニック支援サービスで提携し、今年9月に合弁会社を設立することで合意したと発表した。診療予約機能やチャット機能を備えたスマートフォンアプリを共同で展開する。両社は薬局向けの同様のサービスでも提携しており、2つのサービスを連携させることで診療から服薬指導までを一連のサービスでサポートできるようになるという。
決算
旭化成(2020年3月期、5月12日発表)
ヘルスケアセグメントは売上高3378億円(前期比6.8%増)、営業利益435億円(4.0%増)。このうち医薬・医療事業は、売上高1333億円(1.6%減)、営業利益178億円(3.2%減)だった。関節リウマチ治療薬「ケブザラ」は前年比3.3倍の43億円だったが、骨粗鬆症治療薬「テリボン」(275億円、2.8%減)など主要製品が軒並み落ち込んだ。21年3月期の業績予想は、新型コロナウイルス感染症の影響で合理的な予想が困難として開示を見送った。
キョーリン製薬HD(2020年3月期、5月12日発表)
売上高1099億8300万円(前期比3.2%減)、営業利益75億300万円(16.4%減)。喘息治療薬「フルティフォーム」(146億円、12.2%増)と過活動膀胱治療薬「べオーバ」(43億円、481%増)が伸長したものの、長期収載品の処方減少と抗アレルギー薬「デザレックス」の供給再開の遅れが響いた。21年3月期は、新薬の拡大とオーソライズド・ジェネリックの発売により、売上高1155億円(5.0%増)、営業利益97億円(29.3%増)を見込む。
キッセイ薬品工業(2020年3月期、5月12日発表)
売上高632億3400万円(前期比12.5%減)、営業利益18億5700万円(70.1%減)。主力の前立腺肥大症に伴う排尿障害改善薬「ユリーフ」が後発医薬品の影響で売り上げを落としたことが響いた。21年3月期は売上高655億円(3.6%増)、営業利益46億円の赤字を予想。原価率の上昇や販管費の増加で営業利益と経常利益は赤字となる。
あすか製薬(2020年3月期、5月12日発表)
売上高525億4200万円(前期比12.5%増)、営業利益15億700万円(15.5%減)。子宮筋腫治療薬「レルミナ」や月経困難症治療薬「フリウェル」のオーソライズド・ジェネリックが好調で、昨年10月の薬価改定によるマイナスをカバーした。21年3月期の業績予想は、売上高530億円(0.9%増)、営業利益20億(32.7%増)。
扶桑薬品工業(2020年3月期、5月12日発表)
売上高469億200万円(前期比1.8%増)、営業利益10億1000万円(19.9%減)。後発医薬品の販売が好調で増収となったが、原価率の上昇で利益は減少した。21年3月期は売上高488億円(4.0%増)、営業利益16億円(58.3%増)を見込む。
JCRファーマ(2020年3月期、5月12日発表)
売上高247億8100万円(前期比7.0%増)、営業利益32億4400万円(34.7%減)。成長ホルモン製剤「グロウジェクト」(126億5000万円、5.6%増)や再生医療等製品「テムセル」(31億2600万円、53.2%増)などが伸び増収となったが、研究開発費が大幅に増加したことで利益は減少した。21年3月期の業績予想は、売上高272億円(9.8%増)、営業利益60億円(84.9%増)。
アルフレッサHD(2020年3月期、5月12日発表)
売上高2兆6985億1100万円(前期比2.2%増)、営業利益476億4500万円(6.4%増)。本業の医療用医薬品卸売事業は2.1%の増収、3.6%の営業増益となった。21年3月期は売上高2兆7000億円(0.1%増)、営業利益368億円(22.8%減)を予想。薬価改定による利益率の低下や人件費・物流費の高騰が響く。