IQVIAは11月7日、2019年7~9月期の国内医療用医薬品市場が前年同期比8.9%増の2兆6709億3700万円となったと発表した。四半期ベースで5%を超える成長となったのは、2016年1~3月期以来、3年半ぶり。製品別売上高では、MSDの免疫チェックポイント阻害薬「キイトルーダ」が前の四半期に続いてトップとなった。
市場の内訳を見ると、「病院」(100床以上)が1兆2213億3000万円(前年同期比10.5%増)、「開業医」(100床未満)が5341億7200万円(9.9%増)、「薬局その他」が9154億3500万円(6.3%増)。3市場すべてで成長率が5%を超えたのは15年4~6月期以来。消費増税に伴う薬価改定を10月に控えていたことも高成長の要因となったようだ。
アストラゼネカのタグリッソが150%増
製品別の売上高(薬価ベース)を見てみると、トップは372億9900万円(84.0%増)を売り上げたMSDの免疫チェックポイント阻害薬「キイトルーダ」。2位は中外製薬の抗がん剤「アバスチン」(320億7800万円、9.0%増)、3位は小野薬品工業の免疫チェックポイント阻害薬「オプジーボ」(269億5300万円、5.7%増)だった。
アストラゼネカの抗がん剤「タグリッソ」は151.5%増の224億2900万円を売り上げて7位にランクイン。抗凝固薬「リクシアナ」(第一三共)や利尿薬「サムスカ」(大塚製薬)、消化性潰瘍薬「タケキャブ」、ARB「アジルバ」(いずれも武田薬品工業)も2ケタ増となった。
薬効別では、抗腫瘍剤が3761億6700万円(26.7%増)でトップ。2位は糖尿病治療剤(1437億2600万円、7.6%増)、3位は抗血栓症薬(1118億8500万円、7.1%増)と続いた。レニン-アンジオテンシン系作用薬は上位10薬効で唯一、前年を下回った。