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ニュース解説

【2020年9月版】製薬大手 抗がん剤パイプライン(5)武田薬品工業、アステラス製薬、大塚ホールディングス、第一三共

市場拡大が著しく、開発競争も熾烈ながん領域。製薬大手の後期開発パイプラインをまとめました(全5記事。この記事は半年をめどに更新していく予定です。全記事まとめはこちら)。

 

パイプラインは調査時点で各社がホームページで公表していた情報に基づく。いつ時点の情報かは会社によって異なるため、承認・申請など直近のイベントが反映されていない場合もある。

 

武田薬品工業

 

2017年の米アリアド買収で獲得したALK阻害薬brigatinib(製品名・Alunbrig)は今年2月、ALK融合遺伝子陽性非小細胞肺がんを対象に日本でも申請しました。肺がんではこのほか、EGFR/HER2阻害薬mobocertinib(開発コード・TAK-788)をエクソン20挿入変異の非小細胞肺がんで開発しており、21年度の承認取得を目指しています。

 

血液がん領域では、NEDD8活性化酵素阻害薬pevonedistat(TAK-924)がP3試験段階。高リスクの骨髄異形成症候群で特に有望視されています。他家CAR-NK細胞(キメラ抗原受容体発現ナチュラルキラー細胞)療法TAK-007は、B細胞性悪性腫瘍のP1/2試験を進行中です。多発性骨髄腫治療薬イキサゾミブ(ニンラーロ)も併用療法など適応拡大に向けた臨床試験を進めています。

 

日本では、米エクセリクシスから導入したキナーゼ阻害薬カボザンチニブ(カボメティクス)を腎細胞がんの適応で20年5月に発売。肝細胞がん(セカンドライン)でも申請中で、オプジーボ(ニボルマブ、小野薬品工業)との併用療法も開発が進んでいます。米テサロから導入したニラパリブ(ゼジューラ)は、卵巣がんの適応で今年9月に承認されました。

 

アステラス製薬

 

米シアトル・ジェネティクスと共同開発している抗ネクチン4抗体薬物複合体(ADC)enfortumab vedotin(Padcev)は、19年12月に転移性尿路上皮がんを対象に米国で承認を取得。抗PD-1抗体ペムブロリズマブ(キイトルーダ)との併用療法など適応拡大に向けた開発が進んでいます。

 

16年の独ガニメド買収で獲得した抗Claudin 18.2抗体zolbetuximab(IMAB362)は、胃腺がん・食道胃接合部腺がんでP3試験段階。膵臓腺がんでもP2試験を行っています。Claudin 18.2は、上皮細胞層の細胞間を接着するタイトジャンクションの主要構成因子。さまざまながん種で発現することが分かっています。

 

FLT3阻害薬ギルテリチニブ(ゾスパタ)は、日米欧で再発・難治性の急性骨髄性白血病治療薬として承認されており、中国でも申請中。寛解導入化学療法後の維持療法や造血幹細胞移植後の維持療法などへの適応拡大を目指し、グローバルでP3試験が行われています。

 

大塚ホールディングス

 

米子会社アステックスが開発するDNAメチル化酵素阻害薬Inqoviは、骨髄異形成症候群と慢性骨髄単球性白血病を対象に米国で承認を取得。欧州でP3試験を行っています。同薬はDNAメチル化阻害薬デシタビンに新規代謝酵素阻害薬cedazuridineを加えた経口配合剤。新規のDNAメチル化阻害薬guadecitabine(SGI-110)は、骨髄異形成症候群や急性骨髄性白血病でP3試験を進めています。

 

このほか、dUTPase阻害薬TAS-114やFGFR阻害薬futibatinib(TAS-120)、アステックス創製のIAP阻害薬ASTX660などがP2試験段階に控えています。futibatinibはP3試験の準備中です。

 

日本ではタカラバイオと共同開発しているCAR-T細胞療法TBI-1501や、NY-ESO-1・siTCR遺伝子治療薬mipetresgene autoleucel(TBI-1301)のP1/2試験を実施中。TBI-1301は20年中の申請を目指しています。

 

第一三共

 

大型化を期待する自社創製の抗HER2 ADCトラスツズマブ デルクステカン(エンハーツ)は、日本と米国でHER2陽性乳がんの治療薬として20年に発売。日本では、胃がんにも適応拡大しました。英アストラゼネカとの提携で開発も加速しており、同社の免疫チェックポイント阻害薬デュルバルマブ(イミフィンジ)との併用療法の開発も行われています。アストラゼネカとは、P1試験を行っている抗TROP2 ADCのDS-1062の開発でも今年8月に提携を結びました。

 

抗HER3 ADC patritumab deruxtecan(U3-1402)は、転移性乳がんでP1/2試験段階。今年9月にはHER3発現大腸がんでもP2試験を開始しました。ADCではこのほか、抗B7-H3 ADCのDS-7300もP1/2試験を行っています。

 

日本では、米カイトファーマ創製のCAR-T細胞療法axicabtagene ciloleucel(Yescarta)をB細胞リンパ腫の適応で今年3月に申請。東京大などが創製した腫瘍溶解性ウイルスDS-1647(G47⊿)は、神経膠腫の適応で20年度中の申請を予定しています。EZH1/2阻害薬valemetostatは、成人T細胞白血病/リンパ腫でピボタル試験を開始しました。

 

(亀田真由)

 

AnswersNews編集部が製薬企業をレポート

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