IQVIAは11月7日、2018年7~9月の国内医療用医薬品市場は2兆4520億3400万円で、前年同期比3.5%減となったと発表した。4月の薬価改定が影響した。製品別の売上高では、アッヴィのC型肝炎治療薬「マヴィレット」がトップ。MSDの免疫チェックポイント阻害薬「キイトルーダ」は前年同期から売り上げが倍増した。
市場の内訳を見ると、「病院」(100床以上)が1兆1047億8100万円(前年同期比0.3%減)、「開業医」(99床以下)が4861億7900万円(5.0%減)、「薬局その他」が8610億7400万円(6.6%減)。3市場すべてで前年同期を下回った。
IQVIAによると、4~6月期の市場成長率は、13年4.9%増、14年増減なし、15年7.4%増、16年2.4%減、17年1.0%増と推移。18年は4月の薬価改定の影響が大きく、13年以降では最も低い成長率となった。
売り上げトップのマヴィレット 早くも年間1000億円を突破
製品別の売上高(薬価ベース)では、昨年11月に発売されたアッヴィのC型肝炎治療薬「マヴィレット」が299億5200億円でトップ。同薬は18年1~3月に334億9600万円、4~6月に423億8600万円を売り上げており、18年の売上高は早くも1000億円を突破した。
2位は中外製薬の抗がん剤「アバスチン」(294億3300万円、2.4%増)、3位は小野薬品工業の免疫チェックポイント阻害薬「オプジーボ」(254億9800万円、8.8%増)だった。
売り上げを大きく伸ばしたのは、6位にランクインしたMSDの同「キイトルーダ」。売上高は96.6%増の202億7600万円で、オプジーボとの差を徐々に詰めている。9位に入った第一三共の抗凝固薬「リクシアナ」も48.3%増の175億3900万円と大きく伸びた。
上位10製品で売り上げを落としたのは、第一三共の消化性潰瘍治療薬「ネキシウム」(15.6%減)と、田辺三菱製薬の関節リウマチ治療薬「レミケード」(7.3%減)。ネキシウムは4月の薬価改定で特例拡大再算定を受け、薬価が大幅に引き下げられたことが響いた。