IQVIAは8月7日、2018年4~6月期の国内医療用医薬品市場は2兆5868億3600万円で前年同期比1.3%減となったと発表した。4月の薬価改定が響いた。製品別売上高では、アッヴィのC型肝炎治療薬「マヴィレット」がトップ。MSDの免疫チェックポイント阻害薬「キイトルーダ」は四半期ベースで初めてトップ10入りした。
市場の内訳を見ると、「病院」(100床以上)が1.4%増の1兆1454億6000万円とプラスだった一方、「開業医」(100床以下)は2.8%減の5087億1700万円、「薬局その他」は3.5%減の9326億5900万円だった。
IQVIAによると、4~6月期の市場成長率は、13年3.7%増、14年2.5%減、15年7.9%増、16年2.5%増、17年0.8%減と推移。今年4月の薬価改定では薬剤費ベースで7.48%の薬価引き下げが行われ、市場もマイナス成長となった。
売り上げトップはマヴィレット キイトルーダは倍増
製品別の売上高(薬価ベース)を見てみると、トップは423億8600万円を売り上げたアッヴィのC型肝炎治療薬「マヴィレット」。ジェノタイプを問わず使え、最短8週間での治療が可能なことから、昨年11月の発売以降、急速に売り上げを伸ばしている。
2位は中外製薬の抗がん剤「アバスチン」(303億3000万円、前年同期比4.7%増)、3位はファイザーの疼痛治療薬「リリカ」(254億1400万円、8.9%増)。10位に入った第一三共の抗凝固薬「リクシアナ」は7割増の172億1600万円を売り上げた。
免疫チェックポイント阻害薬は2製品がトップ10にランクインした。7位となったMSDの「キイトルーダ」は、192億4800万円と前年同期から売り上げを倍増させ、四半期ベースで初のトップ10入り。小野薬品工業の「オプジーボ」は9.3%増の246億4300万円で4位だった。
いずれも4月の薬価改定で用法用量変化再算定の対象となり、オプジーボは23.8%、キイトルーダは11.1~11.2%の薬価引き下げを受けたが、適応拡大などによる数量増でカバーした。
上位10製品で売上減となったのは、5位の消化性潰瘍薬「ネキシウム」(8.7%減)と6位の関節リウマチ治療薬「レミケード」(7.5%減)。ネキシウムは4月の薬価改定で特例拡大再算定の適用を受け、薬価が16.1%引き下げられた。