厚生労働省は1月19日、アトピー性皮膚炎に対する抗体医薬「デュピクセント」(一般名・デュピルマブ)や卵巣がん治療薬のPARP阻害薬「リムパーザ」(オラパリブ)、免疫チェックポイント阻害薬の抗PD-L1抗体「テセントリク」(アテゾリズマブ)など新薬の製造販売を承認した。4月に薬価収載される見通し。
サノフィの抗IL-4/IL-13抗体「デュピクセント」は、アトピー性皮膚炎に対する国内初の抗体医薬。アトピー性皮膚炎の炎症に中心的な役割を果たすIL-4とIL-13を阻害する。
アストラゼネカの「リムパーザ」は、PARP阻害薬と呼ばれる国内初の作用機序を持つ薬剤。遺伝子の修復に関与するPARPという酵素を阻害することで、がん細胞内での遺伝子の修復を阻害し、細胞死に導くと考えられている。同剤は昨年10月、乳がんの適応でも申請を行っている。
アストラゼネカは、薬価収載されるまでの間、保険外併用療法を活用して再発卵巣がん患者にリムパーザの無償提供を行う。提供は治験参加施設などに限定し、▽承認された適応と用法・用量でのみ使用する▽市販直後調査に準じた活動を含む安全対策に協力する――ことに合意した施設で行う。
中外製薬の「テセントリク」は免疫チェックポイント阻害薬としては国内5番目、抗PD-L1抗体としては昨年11月に発売された「バベンチオ」に続く2番目の薬剤。適応は「切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」。非小細胞肺がんに対しては、「オプジーボ」と「キイトルーダ」がすでに承認されている。
このほか1月19日付で承認を取得したのは、
▽急性リンパ性白血病治療薬「ベスポンサ」(イノツズマブ オゾガマイシン、ファイザー)
▽抗精神病薬「レキサルティ」(ブレクスピプラゾール、大塚製薬)
▽気管支喘息薬「ファセンラ」(ベンラリズマブ、アストラゼネカ)
▽抗真菌薬「ネイリン」(ホスラブコナゾール、佐藤製薬)
▽慢性便秘症治療薬「グーフィス」(エロビキシバット、EAファーマ)
▽多剤耐性結核治療薬「サチュロ」(ベラキリン、ヤンセンファーマ)
▽アレルギー性鼻炎治療薬「アレサガテープ」(エメダスチン、久光製薬)
など。
ベスポンサはCD22をターゲットとする抗体薬物複合体(ADC)。レキサルティは「エビリファイ」の後継品に当たる。
ファセンラは既存治療でもコントロールできない難治の気管支喘息に対する抗体医薬。ネイリンはエーザイの創製で、情報提供は佐藤製薬とエーザイが共同で行う。アレサガテープは、アレルギー性鼻炎治療薬の貼付剤としては世界初となる。