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女性の登用拡大、製薬業界でも―活躍推進法施行で取り組み活発化

女性活躍推進法の施行から1ヶ月。製薬業界でも女性の登用を広げようという動きが活発になってきました。

 

女性活躍推進法に基づいて各社が策定・公表した行動計画では、女性管理職比率の向上を目標に設定する企業が多く、中には倍増を目指すなど意欲的な企業も。定着率や女性採用比率に目を向ける企業もあります。

 

 

女性管理職比率「倍増」目標も

4月1日に施行された女性活躍推進法は、女性が職業生活で希望に応じて能力を発揮し、活躍できる環境の整備を目的とした10年間の時限立法です。従業員301人以上の企業には、数値目標と目標達成に向けた取り組みを盛り込んだ行動計画の策定・公表が義務付けられました。

 

女性の活躍に関する各企業の情報を一覧まとめた厚生労働省の「女性の活躍推進企業データベース」や、各社のホームページから、製薬企業の行動計画を集めました。数値目標には、管理職に占める女性の割合を掲げる企業が目立ちます。

 

アステラス製薬は、2014年3月に5.4%だった女性管理職比率を、20年3月までに10%以上とする方針です。エーザイも4.8%(15年9月)から10%(20年度まで)に引き上げる計画で、田辺三菱製薬やあすか製薬は「倍増」を目標に掲げました。

 

外資は軒並み20%以上に

女性の登用が進む外資系企業は、さらに意欲的な目標を設定しています。すでに女性管理職比率が20%に達している日本イーライリリーや、18.5%のアストラゼネカは、ともに2020年に30%以上に高める計画。ほかの外資系企業も軒並み20%を上回る目標を掲げており、日本ベーリンガーインゲルハイムは女性営業所長を2倍にする方針です。

 

製薬各社の女性管理職比率

 

定着率や女性採用比率に着目する企業も

定着率や女性の採用比率に目を向ける企業もあります。

 

第一三共は、新卒入社10年前後の女性社員の雇用継続率を男性の雇用継続率で割った数を0.8以上とする目標を設定。小野薬品工業は、直近5年間の女性社員の定着率を男性社員の90%以上とすることを目指します。

 

小野薬品はさらに、新卒総合職の女性採用率を40%にする方針です。アッヴィも、女性の採用比率を40%にすることで、全社員に占める女性の割合を30%にします。

 

40代の女性MRはわずか2.7%

各社とも意欲的な目標を掲げますが、達成は決して容易ではありません。

 

MR認定センターの「2015年版MR白書」によると、2014年度の女性MR数は9145人(05年比3550人増)に達し、全MR数に占める割合も14.1%(05年比4.1ポイント増)まで上昇しました。一方、営業所長などの女性管理職は140人(全体の1.6%)。05年の13人(全体の0.2%)からは大きく増えたものの、小数にとどまっているのが現状です。

 

MR数・管理職(営業所長など)数の推移

 

公正競争規約の改正で接待がなくなったことで、MRの拘束時間は以前ほど長くないとも言われます。しかし、情報収集のために朝早く卸に顔を出し、夜は医師向けの講演会に行きその後は懇親会へ、というMRも多いでしょう。

 

こうした勤務環境の中、女性が仕事を続けるのは簡単なことではありません。15年版のMR白書によると、女性MR全体に占める40代の割合は2.7%にとどまっています。ライフイベントを乗り越えて管理職を目指すことの難しさを物語っていると言えます。

 

働き方改革に力、意識改革もカギに

女性活躍推進法に基づく製薬各社の行動計画では、働き方の改革に力を入れる企業が目立ちます。

 

参天製薬や東和薬品は、時間外労働の5%削減を打ち出しました。あすか製薬や東和薬品、日本イーライリリーは有給取得の促進を掲げ、田辺三菱製薬は働き方の選択肢を増やすための施策を計画期間中に導入します。アステラス製薬が在宅勤務制度を見直すなど、多くの企業が在宅勤務や勤務地選択制度、裁量労働やフレックスタイムなどを導入・拡大させる計画です。

 

各社がキャリア形成支援

一方で、従業員の意識改革も重要になります。女性の活躍を推進する上での自社の課題に「女性社員のキャリアに対する意識や考え方と上司の期待にギャップがある」(中外製薬)、「管理職を目指す女性が少ない」(アストラゼネカ)といった点を挙げる企業も見られます。

 

各社は研修などを通じて女性従業員のキャリア形成を支援するとともに、上司に対してもダイバーシティなどに関する研修を行う方針です。

 

働きやすい職場環境の整備に加え、従業員の意識をどれだけ変えることができるかが、女性活躍推進のカギとなりそうです。

 

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