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製薬各社 グローバル製品が好調…「エンティビオ」はブロックバスターに 広がる海外展開の動き

日本の製薬会社がグローバル展開する新製品が堅調に売り上げを伸ばしています。

 

武田薬品工業の潰瘍性大腸炎・クローン病治療薬「エンティビオ」は発売から3年足らずでブロックバスターに成長。大日本住友製薬の抗精神病薬「ラツーダ」は今期1500億円を超える見通しで、第一三共の抗凝固薬エドキサバンも成長に加速がかかってきました。塩野義製薬や小野薬品工業は導出先からのロイヤリティー収入が伸びています。

 

日本市場で薬価への締め付けが強まる中、海外事業の重要性は増しています。各社の動向をまとめました。

 

武田 エンティビオ「18年度20億ドル」に自信

「エンティビオは予定通り2018年度中に20億ドルの売り上げを達成する」。武田薬品工業のクリストフ・ウェバー社長は2016年度決算の説明会で強調しました。

 

米国など世界57カ国で承認された潰瘍性大腸炎・クローン病治療薬「エンティビオ」は16年度に1432億円(前年比66.2%増)を売り上げ、14年6月の米国発売から3年足らずでブロックバスターに成長。目標として公言する「18年度世界売上高20億ドル」を完全に捉えました。

 

武田薬品の16年度の海外売上高は前年度比3.8%減の1兆768億円。円高の影響を受けましたが、それを除く実質的な成長率は米国12.8%増、欧州・カナダ4.7%増、新興国4.5%と全世界で増収となりました。「エンティビオ」以外にも、多発性骨髄腫治療薬「ニンラーロ」(294億円、617.1%増)や抗精神病薬「トリンテリックス」(319億円、30.1%増)など新製品が海外事業を牽引します。

 

円高響き軒並み減収も 売り上げ伸ばす新製品

国内製薬各社の16年度の海外事業は、期中に為替が円高に振れた影響で軒並み減収となりました。売上高全体に対する円高のマイナス影響は、武田薬品が1174億円、アステラス製薬が947億円、第一三共が416億円。大塚ホールディングスや第一三共は主力品の特許切れも響きました。売上高全体に対する比率もほとんどの企業で低下しています。

 

16年度決算から海外売上高を公表したのは、日本新薬と日医工。日本新薬は自社創製の動脈性肺高血圧症治療薬「ウプトラビ」のロイヤリティー収入などで売上高の18%を海外で稼ぎました。日医工は昨夏の米社買収が売上高全体を押し上げ。中堅新薬メーカーや後発品メーカーにも海外展開の動きは広がります。

2016年度 国内製薬会社 海外売上高ランキング

 大塚ホールディングスは抗精神病薬「エビリファイ」の特許切れが尾を引きますが、後継品の「レキサルティ」が298億円(545.7%増)と急成長。エビリファイの持続性注射剤「エビリファイメンテナ」も572億円(41.4%増)を売り上げました。17年度はそれぞれ480億円、725億円を計画。業績回復を先導します。

 

第一三共 エドキサバンが加速

同じく主力品であるARBオルメサルタンの特許切れに直面する第一三共は、V字回復を託す抗凝固薬エドキサバン(日欧製品名「リクシアナ」、米国製品名「サベイサ」)の成長に加速がついてきました。16年度の売上高は373億円(148.5%増)で、17年度は650億円を計画。使用制限がかかる米国は厳しい状況ですが、20年度1200億円の目標に向け、日本と欧州で売り上げ拡大を目指します。

 

15年度にブロックバスター化を果たした大日本住友製薬の抗精神病薬「ラツーダ」は引き続き好調。16年度は1359億円(12.9%)に達し、17年度は1500億円を超える見通しです。アステラス製薬の前立腺がん治療薬「XTANDI/イクスタンジ」は、米国で患者支援プログラムによる処方が拡大し、2521億円と前年から横ばい。処方数量自体は米国でも増えており、日本や欧州でも売り上げを伸ばしていることから「全体としての拡大は続いている」(畑中好彦社長)状況ですが、成長速度はスローダウンしてきました。

各社の主なグローバル製品の売上高(2016年度)

 

伸びるロイヤリティー 小野薬品は海外2.3倍に

ロイヤリティー収入も増加を続けています。

 

小野薬品工業は、免疫チェックポイント阻害薬「オプジーボ」のロイヤリティー収入が前年の82億円から267億円に大きく拡大。海外売上高は前年の2.3倍になりました。米ブリストル・マイヤーズスクイブの発表によると、17年第1四半期のオプジーボの世界売上高は前年同期比60%増と好調。小野薬品に入るロイヤリティーは17年度も増加を続ける見通しです。

 

塩野義製薬は抗HIV薬の「テビケイ」「トリーメク」が好調。抗HIV薬のロイヤリティー収入は733億円に達しました。高脂血症治療薬「クレストール」は特許切れで減ったものの、両剤のロイヤリティー収入は計1000億円を突破。海外売上高比率は42.8%に拡大し、準大手クラスの企業としては大日本住友製薬とともに群を抜く水準です。

各社のロイヤリティー収入

 日本市場で薬価への圧力が高まる中、各社の視線は海外市場に向いています。中期経営計画で2020年度に米国売上高800億円を目標に掲げる田辺三菱製薬は、ALS治療薬エダラボンの承認を取得。米国本格進出の第一歩を踏み出しました。日医工や沢井製薬が米国企業を買収するなど、その動きは新薬大手だけにとどまりません。

 

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