武田薬品、ナルコレプシー薬P3試験で好結果…年度内申請へ/日本新薬 販売権持つDMD心筋症薬、米で承認見送り など|製薬業界きょうのニュースまとめ読み(2025年7月14日)
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AnswersNews編集部

武田薬品 ナルコレプシー薬oveporextonP3試験で好結果…年度内申請へ
武田薬品工業は7月14日、開発中のオレキシン2受容体作動薬oveporexton(開発コード・TAK-861)について、ナルコレプシータイプ1を対象に行った2つの臨床第3相(P3)試験ですべての主要評価項目と副次評価項目を達成したと発表した。試験結果を踏まえ、武田薬品は2025年度中に米国をはじめ世界各国・地域で承認申請を行う方針。2つのP3試験は世界19カ国で行われ、あわせて273人の患者を登録。主要評価項目はいずれも、覚醒の標準的な指標である覚醒維持検査で測定した日中の過度の眠気の改善で、プラセボと比較して統計学的に有意な改善を示した。武田薬品はoveporextonについて大型化を期待している。
日本新薬 販売権持つDMD心筋症向け細胞治療、米で承認見送り
日本新薬は7月14日、日本と米国で販売権を持つデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)心筋症向けの細胞医療製品「CAP-1002」(一般名・deramiocel)について、米FDA(食品医薬品局)が承認を見送ったと発表した。開発元の米カプリコール・セラピューティクスがFDAから「現在の申請内容では承認できない」とする審査完了報告通知を受け取った。カプリコールの発表によると、FDAは同社の申請が有効性のエビデンスに関する法令上の要件を満たしておらず、追加の臨床データが必要だと指摘している。カプリコールはFDAと協議しながら次のステップを決める予定で、日本新薬は「カプリコールと緊密に連携しながら今後のスケジュールを検討していく」としている。CAP-1002はヒト心筋から製造される細胞医療製品。同製品から分泌されるエクソソームによって、酸化ストレス、炎症、線維化の低減を促し、運動機能や心機能を改善すると考えられている。
MSD、抗RSV抗体クレスロビマブを申請
MSDは7月14日、長時間作用型の抗RSウイルス抗体クレスロビマブを、生後初めてRSウイルスの感染流行期を迎える新生児と乳児のRSウイルス感染症予防薬として申請したと発表した。申請は、生後1歳までの健康な早産児と正期産児を対象に行ったP2b/3試験や、重症化リスクの高い乳児・幼児を対象にパリビズマブと比較したP3試験の結果に基づく。米国では今年6月に承認された。
ユーシービー「リスティーゴ」420mg製剤
ユーシービージャパンは7月14日、全身型重症筋無力症治療薬「リスティーゴ」(ロザノリキシズマブ)について、皮下注420mgの剤形追加が承認されたと発表した。承認は6月18日付で、今月14日に改訂添付文書が公開された。同薬は1回あたり体重50kg未満は280mg、50kg以上70kg未満は420mg、70kg以上100kg未満は560mg、100kg以上は840mgを投与する。従来は280mg製剤のみだった。新剤形は420mg投与の患者が多い日本市場のニーズに合わせて開発したといい、在宅自己注射を行う際の薬剤の自己調整を不要とすることで治療負担の軽減を期待する。
ExaMDとEPファーマライン、SaMD販売で提携
エクサウィザーズは7月14日、グループ会社のExaMDがEPファーマラインとSaMD(ソフトウェア医療機器)の販売で業務提携したと発表した。両社は、SaMDのプロモーションから医療機関との利用契約、利用料の請求、支払い管理まで行えるデジタルサービスを構築。第一弾として、ExaMDが7月1日に発売した医療用AI歩行分析アプリ「LocoStep」に導入する。同アプリでの運用で得られた治験をもとにサービスを進化させ、デジタルヘルスサービス全般に応用可能なプラットフォームの構築を目指す。
エーザイ「ユリス」中国で発売
エーザイは7月14日、痛風治療薬「URECE」(ドチヌラド、日本製品名・ユリス)を中国で発売したと発表した。同薬は富士薬品が創出した薬剤で、エーザイは中国とASEAN5カ国での開発・販売権を持つ。中国では2024年12月に承認を取得。タイとフィリピンでも承認されている。日本では富士薬品が20年5月から販売している。