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米国初のメニン阻害薬「Revuforj」やAADC欠損症の遺伝子治療薬「Kebilidi」など8新薬が承認|米FDAが2024年11月に承認した新薬

更新日

亀田真由

(写真:ロイター)

 

2024年11月に米FDA(食品医薬品局)が承認した主な新薬と適応拡大を、領域別にまとめました。

 

 

【新薬】米ブリッジバイオのATTR-CM治療薬「Attruby」など

【2024年11月に米FDAが承認した主な新薬】〈製品名/一般名/社名/適応/日本の開発状況〉Revuforj*★/revumenib/米シンダックス/KMT2A転座を有する再発・難治性の急性白血病(1歳以上)/―|Ziihera*★/zanidatamab/アイルランド・ジャズ/既治療の切除不能または転移性のHER2陽性胆道がん(成人)/P3|Imkeldi/imatinib /アイルランド Shorlaオンコロジー/慢性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、骨髄異形成症候群、骨髄増殖性腫瘍、消化管間質腫瘍(経口液剤)/―(有効成分は既承認)|Aucatzyl obecabtagene autoleucel/英Autolus/再発・難治性のB細胞急性リンパ芽球性白血病(成人)/―|Attruby/acoramidis/米ブリッジバイオ/トランスサイレチン型心アミロイドーシスに伴う心筋症(成人)/P3|Kebilidi*/eladocagene exuparvovec/米PTC/AADC欠損症/―|Emrosi/minocycline/米ジャーニーメディシン/酒さ(徐放性製剤)/―(有効成分は既承認)|Rapiblyk/landiolol/オーストリア/AOPヘルス/救急救命における心房細動、心房粗動/―(有効成分は既承認)|※米FDA(食品医薬品局)や各社の発表資料をもとに作成。国内開発状況は各社のパイプライン情報などを参照

 

がん

Revuforj|米シンダックス

「Revuforj」(revumenib)は、KMT2A転座を有する再発・難治性の急性白血病治療薬。米国初のメニン阻害薬として承認されました。KMT2A転座は予後が非常に悪いとされています。104人の患者を対象とした臨床試験での寛解率(完全寛解および部分的血液学的回復を伴う寛解)は21.2%。NPM1遺伝子変異を有する急性骨髄性白血病でも開発を進めており、来年にも米国での申請を見込みます。

 

Ziihera|アイルランド・ジャズファーマシューティカルズ

HER2を標的とする二重特異性抗体「Ziihera」(zanidatamab)は「既治療の切除不能または転移性のHER2陽性胆道がん」の適応で迅速承認を取得。承認の根拠となった臨床第2相(P2)試験の客観的奏効率は52%で、奏功期間(中央値)は14.9カ月でした。現在、標準治療治療への上乗せを検証するP3試験を実施中です。欧州でも申請中で、日本でもP3試験が行われています。

 

Aucatzyl|英Autolus

「Aucatzyl」(obecabtagene autoleucel)は、CD19を標的とするCAR-T細胞療法。適応は「再発・難治性のB細胞急性リンパ芽球性白血病」で、完全寛解率42%、寛解期間(中央値)14.1カ月を示した臨床試験の結果をもとに承認されました。欧州と英国でも申請中です。

 

循環器

Attruby|米ブリッジバイオ

「Attruby」(acoramidis)は、野生型・変異型のトランスサイレチン型心アミロイドーシス(ATTR-CM)に伴う心筋症の治療薬。異常なトランスサイレチンタンパク質を安定化させる作用を持ち、臨床試験では死亡や心血管関連入院を有意に減少させました。欧州でも申請中で、日本ではライセンス先のアレクシオンファーマがP3試験を進めています。

 

神経

Kebilidi|米PTCセラピューティクス

「Kebilidi」(eladocagene exuparvovec)はアデノ随伴ウイルスベクター(AAV)ベースの遺伝子治療薬。AADC欠損症の治療薬として迅速承認を取得しました。脳に直接投与するもので、DDC遺伝子を送達し、ドパミンの産生を回復させることで治療効果を発揮すると考えられています。欧州では22年に承認されています。

 

皮膚

Emrosi|米ジャーニー・メディカル

「Emrosi」は、酒さ治療に使用する抗生物質minocyclineの徐放性カプセル。インドのドクター・レディーズ・ラボラトリーズと共同開発しました。臨床試験では、プラセボと標準治療のdoxycyclineに比べて治療成功率を有意に改善しました。

 

その他

Rapiblyk|オーストリア・AOPヘルス

短時間作用型β1選択的遮断剤「Rapiblyk」(landiolol)は、救急救命医療現場における心房細動、心房粗動の治療薬として承認されました。欧州でも承認されています。

 

【適応拡大】Bimzelxの化膿性汗腺炎

【2024年11月に米FDAが承認した主な適応拡大】〈製品名/一般名/社名/適応/日本の開発状況〉Bimzelx/bimekizumab/ベルギーUCB/中等度から重度の化膿性汗腺炎(成人)/承認|Trodelvy/sacituzumab govitecan/米ギリアド/【適応取り下げ】/局所進行または転移性の尿路上皮がん(成人)/―|※米FDA(食品医薬品局)や各社の発表資料をもとに作成。国内開発状況は各社のパイプライン情報などを参照

 

皮膚

Bimzelx|ベルギーUCB

抗IL-17A/IL-17F抗体「Bimzelx」(bimekizumab)は、中等度から重度の化膿性汗腺炎に適応拡大。承認の根拠となった2つのP3試験では、16週目時点で疾患の兆候と症状をプラセボに比べて有意に改善し、48週時点まで効果が継続することが確認されました。同適応では欧州で4月、日本で9月に承認済みです。

 

がん

【適応取り下げ】Trodelvy|米ギリアド

抗TROP2抗体薬物複合体(ADC)「Trodelvy」(sacituzumab govitecan)は「局所進行または転移性の尿路上皮がん」の適応を取り下げました。同適応では21年に迅速承認を取得しましたが、検証的P3試験で全生存期間の主要評価項目を達成できませんでした。同薬は米国や欧州、日本で乳がん治療薬として承認されています。

 

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