ファイザー、抗生物質製剤「ザビセフタ」発売/第一三共、抗TROP2 ADC「EGFR変異非小細胞肺がん」で米国申請 など|製薬業界きょうのニュースまとめ読み(2024年11月12日)
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AnswersNews編集部
ファイザー、抗生物質製剤「ザビセフタ」発売
ファイザーは11月12日、β-ラクタマーゼ阻害薬配合抗生物質製剤「ザビセフタ配合点滴静注用」(一般名・注射用アビバクタムナトリウム/セフタジジム水和物)を発売したと発表した。セフェム系抗菌薬セフタジジム水和物に、新規のβ-ラクタマーゼ阻害薬アビバクタムナトリウムを配合した薬剤。適応菌種は▽大腸菌▽シトロバクター属▽クレブシエラ属▽エンテロバクター属▽セラチア属▽プロテウス属▽モルガネラ・モルガニー▽インフルエンザ菌▽緑膿菌――で、適応症は▽敗血症▽肺炎▽膀胱炎▽腎盂腎炎▽腹膜炎▽腹腔内膿瘍▽胆嚢炎▽肝膿瘍――。β-ラクタマーゼ産生菌が臨床上で問題となるなか、薬剤耐性対策の新たな選択肢として期待される。薬価は2.5g1瓶1万6111円で、ピーク時に2.5億円の販売を見込む。
第一三共、抗TROP2 ADC「EGFR変異非小細胞肺がん」で米国申請…非扁平上皮非小細胞肺がん2次・3次治療は取り下げ
第一三共は11月12日、抗TROP2抗体薬物複合体(ADC)ダトポタマブ デルクステカンについて、米国で「EGFR遺伝子変異を有する前治療歴のある局所進行または転移性の非小細胞肺がん」の適応で申請したと発表した。今年2月に受理されていた「局所進行または転移性の非扁平上皮非小細胞肺がんの2次・3次治療」での申請は取り下げた。FDA(食品医薬品局)との協議に基づくものとしている。新たな申請は、Actionable遺伝子変異を有する、前治療歴のある局所進行・転移性非小細胞肺がんを対象に行った第2相(P2)臨床試験の結果に基づいており、迅速承認の取得を目的としている。
決算
東和薬品(24年4~9月期、11月12日発表)
▽売上高1234億400万円(前年同期比14.9%増)▽営業利益105億1300万円(50.1%増)▽経常利益103億3800万円(1.0%増)▽純利益65億5500万円(5.7%減)――。国内で販売数量が伸び、円安の影響で海外事業の売り上げも拡大した。25年3月期の業績予想は11月5日に上方修正を発表しており、売上高2621億円、営業利益233億円を見込む。
富士製薬工業(24年9月期、11月12日発表)
▽売上高461億3800万円(前期比12.8%増)▽営業利益38億8000万円(0.6%増)▽経常利益44億4500万円(1.6%減)▽純利益61億4600万円(78.9%増)――。主力の女性医療領域の製品が2桁成長。研究開発や販売体制への投資で営業利益は微増にとどまったが、投資有価証券売却による特別利益で大幅な最終増益となった。25年9月期は売上高533億6000万円(15.7%増)、営業利益48億5000万円(25.0%増)を予想。新製品の月経困難症治療薬「アリッサ」を含む女性医療領域の売り上げが引き続き伸びる見通し。
スズケン(24年4~9月期、11月12日発表)
▽売上高1兆1973億2300万円(前年同期比0.2%増)▽営業利益171億100万円(3.2%増)▽経常利益170億900万円(6.5%減)▽純利益202億7800万円(27.7%増)――。医薬品卸売事業の売上高は1兆1551億8700万円(0.3%増)、営業利益は145億4100万円(3.4%増)。新型コロナウイルス感染症治療薬・診断薬の売り上げが落ち込んだものの、スペシャリティ医薬品など新薬の販売が拡大。コスト抑制策が奏効し、増益を確保した。25年3月期の業績予想は、売上高2兆3910億円(従来予想比180億円増)、営業利益336億円(51億円増)に上方修正した。