旭化成、血液浄化事業を565億円で売却/日本新薬、米社の筋ジス細胞治療を欧州でも販売へ など|製薬業界きょうのニュースまとめ読み(2024年9月18日)
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AnswersNews編集部
旭化成、血液浄化事業を売却…CRO・CDMO事業は新会社で継続
旭化成は9月18日、子会社・旭化成メディカルが行っている血液浄化事業を投資ファンドのインテグラルに売却すると発表した。新たに設立する子会社「旭化成ライフサイエンス」に旭化成メディカルのバイオプロセス事業を承継した上で、旭化成メディカルの株式を来年4月に20%、2027年4月に80%譲渡する。譲渡額は565億円。血液浄化事業では、透析・アフェレシス関連製品の開発・製造・販売を手掛けている。旭化成は「継続的な成長のために選択し得る戦略的オプションを幅広く検討してきた。医療機器専業の会社として独立することで、迅速かつ柔軟な意思決定が可能となる」としている。バイオプロセス事業では生物製剤精製工程用ウイルス除去フィルター事業やCRO・CDMO事業を行っており、これらは旭化成ライフサイエンスで継続する。
日本新薬 米社の筋ジス細胞治療、欧州でも販売へ
日本新薬は9月18日、米カプリコール・セラピューティクスと、同社がデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)を対象に開発している細胞医療製品「CAP-1002」の欧州での販売提携に向けた基本合意を結んだと発表した。CAP-1002はヒト心筋から製造される細胞医療製品。同製品から分泌されるエクソソームによって、酸化ストレス、炎症、線維化の低減を促し、運動機能や心機能を改善すると考えられている。カプリコールは現在、米国で臨床第3相(P3)試験を実施中。両社はすでにCAP-1002の米国と日本での販売で提携しており、欧州でも契約に至れば日米欧3極でDMD向け細胞医療を販売することになる。
アンジェス「コラテジェン」米でブレークスルーセラピー指定
アンジェスは9月18日、末梢動脈疾患を対象に開発している遺伝子治療用製品「コラテジェン」について、米国でブレークスルーセラピー(画期的新薬)の指定を受けたと発表した。米国では後期P2試験を完了し、同社は「良好な結果が得られた」としている。同薬は日本で2019年に条件・期限付き承認を取得し、23年5月に本承認に向けた申請を行ったが、市販後調査で国内P3試験の結果を再現できず、申請を取り下げた。日本では今後、国内P3試験と米国後期P2試験の結果などをもとに改めて申請を行う方針を明らかにしている。
シミックHD、米国の医療機関とがん臨床試験で提携
シミックホールディングス(HD)は9月18日、米国の医療機関「モフィット・キャンサー・センター」と、がん領域の臨床試験の推進を目的とした戦略的パートナーシップを締結したと発表した。シミックはモフィットの施設を米国での主要な臨床試験拠点として活用。患者の選定と登録にモフィットの専門知識を生かす。モフィットとそのパートナーが日本やアジア太平洋地域で臨床試験を行う場合は、シミックが支援する。
ファイザー「コミナティシリンジ」19日発売
ファイザーは9月18日、新型コロナウイルスワクチン「コミナティ」について、オミクロン株JN.1系統対応の12歳以上用のプレフィルドシリンジ製剤を19日に発売すると発表した。10月から行われる定期接種などで使用される。2~8度での冷蔵保管でき、解凍・希釈・充填の作業が不要。5月から販売しているXBB.1.5対応ワクチンは販売を終了する。小児用のJN.1対応ワクチン(バイアル製剤)についても発売の準備を進めている。