武田薬品、希望退職者募集へ…国内事業体制見直し
武田薬品工業は8月2日、国内事業の運営体制を見直し、これにあわせて希望退職者を募集すると発表した。詳細は今後、労働組合と検討して決めるとしている。オンコロジー以外の主要な国内事業を所管するジャパンファーマビジネスユニットでは、疾患領域ごとに設置している事業部を、新薬を中心に扱う事業部と既存製品を中心に扱う事業部の2つに再編。国内の研究開発組織は、湘南と大阪の拠点機能を維持した上で、全社の効率化プログラムに沿う形で体制を見直す。
第一三共 抗B7-H3ADCのP3試験開始…再発小細胞肺がん対象に
第一三共は8月2日、抗B7-H3抗体薬物複合体(ADC)イフィナタマブ デルクステカンについて、再発小細胞肺がんを対象としたグローバル臨床第3相(P3)試験を開始したと発表した。日本を含むアジア、欧州、オセアニア、北米、南米で化学療法による前治療歴のある患者約460人を登録する予定。主要評価項目は客観的奏効率と全生存期間で、化学療法と比較して有効性と安全性を評価する。同薬は、第一三共が開発に力を入れる6つのADCの1つで、米メルクと開発・販売で提携している。
杏林 気道上皮細胞由来細胞外小胞でオプション契約、EVerMedと
杏林製薬は8月2日、東京慈恵会医科大発ベンチャーEVerMed(東京都港区)が開発する気道上皮細胞由来細胞外小胞(開発コード・EM-001)について、同社とオプション契約を結んだと発表した。杏林は日本での開発・販売権のライセンスに関するオプション権を保有。EVerMedに契約一時金を支払い、オプション権を行使した場合は開発マイルストンと販売ロイヤリティを支払う。EM-001は複合的な内包物の移送を介して細胞老化や線維化を抑制し、形質を正常化する作用があると考えられている。EVerMedが東京慈恵会医科大とともにP1試験の実施を予定している。
科研、クロスメッドとSaMD開発で契約
科研製薬は8月2日、スタートアップ企業のクロスメッド(東京都板橋区)と、プログラム医療機器(SaMD)創出に向けたフィージビリティ・スタディ契約を結んだと発表した。クロスメッドは、運動器(膝・股関節)に特化したヘルスケアアプリ「くるあ」などを販売。自宅でのリハビリ支援システムの製品化に向けた効果検証などを行っている。契約により科研は、クロスメッドの開発品について、整形外科領域でのSaMD創出を目指し、共同で開発を加速させる。
中外「アレセンサ」術後補助療法が台湾で承認
中外製薬は8月2日、ALK阻害薬「アレセンサ」(一般名・アレクチニブ)が台湾で「ALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺がんにおける術後補助療法」への適応拡大の承認を取得したと発表した。承認は、プラチナ製剤ベースの化学療法群と比較して再発・死亡リスクを76%低下させたグローバルP3試験の結果に基づく。
決算
JT(2024年1~6月期、8月2日発表)
医薬事業の売上収益441億円(前年同期比7.5%減)、調整後営業利益40億円(60.2%減)。子会社・鳥居薬品が販売するアトピー性皮膚炎治療薬やアレルゲン免疫療法が売り上げを伸ばした一方、前年同期に導出品のライセンス契約に伴う一時金収入を計上した反動で減収。研究開発費の増加も利益に影響した。24年12月期の業績予想は、売上収益930億円(従来予想比45億円増)、調整後営業利益70億円(30億円増)に上方修正。鳥居薬品の増収や円安によるロイヤリティ収入の増加を見込む。