住友ファーマ、前期最終3150億円の赤字/小野薬品、米デシフェラを3700億円で買収 など|製薬業界きょうのニュースまとめ(2024年4月30日)
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AnswersNews編集部
住友ファーマ、前期最終3150億円の赤字…減損で損失拡大
住友ファーマは4月30日、2024年3月期の業績予想を下方修正し、最終利益が3150億円の赤字になると発表した。米国では販売する子宮筋腫・子宮内膜症治療薬「マイフェンブリー」の特許権の減損損失1335億円を計上するなどし、従来予想の14010億円の赤字から損失が拡大する見通しとなった。同社は収益改善に向け、日本でも「2024年度中に一段の体制スリム化」を行うとしている。北米の基幹3製品が売り上げを伸ばしていることから、今後の業績は回復基調を見込むとし、25年3月期は売上収益3380億円(24年3月期予想は3146億円)、コア営業利益は10億円(同1330億円の赤字)との見通しも明らかにした。
小野薬品、米デシフェラを3700億円で買収…がん領域強化
小野薬品工業は4月30日、米国のバイオ医薬品企業デシフェラ・ファーマシューティカルズを総額24億ドル(約3700億円)で買収すると発表した。デシフェラは消化管間質腫瘍(GIST)治療薬のKIT阻害薬「QINLOCK」を欧米などで販売しているほか、2024年中に欧米で申請を予定しているCSF-1R阻害薬vimseltinibなどがん領域で複数の新薬候補を開発している。小野は買収を通じてがん領域のパイプラインを拡充するとともに、欧米での自社販売体制を強化する。買収は今年第2四半期の完了を予定している。
ペプチドリーム、ノバルティスとの提携拡大
ペプチドリームは4月30日、スイス・ノバルティスとのペプチド創薬に関する提携を拡大すると発表した。ペプチドリームは独自の技術を活用し、ノバルティスが選定する複数の標的に対する新たな環状ペプチドの同定・最適化を行う。放射性核種との複合体などの開発が目的。契約に基づきペプチドリームは一時金1億8000万ドル(約280億円)を受け取るほか、マイルストンとして総額27.1億ドル(約4220億円)を受け取る可能性がある。