アステラス、通期業績予想を引き下げ…VEOZAH市場浸透遅れ
アステラス製薬は2月5日、2024年3月期通期業績予想の下方修正を発表した。修正後の予想は、▽売上収益1兆5620億円(従来予想比460億円減)▽営業利益830億円(400億円減)▽税引前利益820億円(390億円減)▽当期利益580億円(270億円減)――。昨年5月に米国で承認を取得した閉経に伴う血管運動神経症状の治療薬「VEOZAH」の市場浸透が遅れており、同薬の通期の売上収益予想を従来の533億円から71億円に引き下げた。DTCの効果が実需に表れるのに時間がかかっているほか、保険カバレッジ(現時点で約35%、23年度末に50%以上を見込む)が不十分と感じている医師が多く、処方の障壁になっているという。
MICIN、過敏性腸症候群向け治療用アプリの探索的臨床研究
MICIN(東京都千代田区)は2月5日、東京大医学部付属病院、東北大大学院、東北労災病院と、過敏性腸症候群向け治療用アプリの探索的臨床研究を開始すると発表した。アプリは、暴露療法を含む認知行動療法をセルフで行える機能や、関連する症状を記録する機能を搭載。臨床研究では、重症度やQOLの改善、アプリ利用のアドヒアランスなどを評価し、さらなる改良や開発につなげる。
東和、AGA薬デュタステリドを発売
東和薬品は2月5日、男性型脱毛症(AGA)治療薬「デュタステリド錠ZA『トーワ』」を発売したと発表した。5α還元酵素1型/2型阻害薬「ザガーロカプセル」の後発医薬品。有効成分の皮膚接触リスクを考慮したフィルムコーティング錠として開発し、小型の錠剤にして飲みやすくした。薬価基準未収載医薬品で、公的医療保険は適用されない。
持田、通期業績予想を下方修正
持田製薬は2月5日、2024年3月期の業績予想を下方修正したと発表した。修正後の予想は▽売上高1020億円(従来予想比20億円減)▽営業利益55億円(30億円減)▽経常利益57億円(30億円減)▽純利益44億円(19億円減)――。医薬品関連事業の売上高が予想を下回ることに加え、円安による原薬・製剤の輸入価格上昇で売上原価が増加し、利益が減少する見込み。
中外「FoundationOne」ターゼナのコンパニオン診断で承認
中外製薬は2月5日、がん遺伝子パネル検査「FoundationOne CDx がんゲノムプロファイル」について、ファイザーのPARP阻害薬「ターゼナカプセル」(一般名・タラゾパリブトシル酸塩)の「BRCA遺伝子変異陽性の遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺がん」に対するコンパニオン診断として承認を取得したと発表した。ターゼナは、BRCA遺伝子変異陽性の遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺がんに対するエンザルタミドとの併用療法が1月に承認されている。
決算
米アッヴィ(2023年12月期、2月2日発表)
売上高543億1800万ドル(約8兆623億円、前期比6.4%減)、営業利益127億5700万ドル(29.6%減)、純利益48億6300万ドル(58.9%減)。米国でバイオシミラーとの競争に直面した抗TNFα抗体「ヒュミラ」の売上高は144億400万ドルで32.2%減。抗IL-23p19抗体「スキリージ」(77億6300万ドル、50.3%増)とJAK阻害薬「リンヴォック」(39億6900万ドル、57.4%増)が売り上げを大きく伸ばしたが、ヒュミラの減収を補えなかった。24年12月期は、調整後希薄化後の1株あたり純利益(EPS)を11.05~11.25ドル(23年12月期は11.11ドル)と予想している。
米ブリストル・マイヤーズスクイブ(2023年12月期、2月2日発表)
売上高450億600万ドル(約6兆6881億円、前期比2%減)、純利益80億2500万ドル(27%増)。血液がん治療薬「レブラミド」(売上高60億9700万ドル、39%減)が後発医薬品の影響で売り上げを減らした。がん免疫療法薬「オプジーボ」は売上高90億900万ドル(9%増)。24年12月期は1桁台前半の売り上げ成長を見込む。