シミックHD、MBOで非公開化 成長へ投資強化
シミックホールディングス(HD)は11月7日、マネジメント・バイアウト(MBO、経営陣による買収)を実施すると発表した。中村和男会長CEOが設立した会社がTOB(株式公開買い付け)を行い、シミックHDは上場廃止となる見通し。経営環境が変化する中、非公開化で成長に向けた先行投資と人事制度の抜本的見直しを行う。TOB価格は1株2650円で、公開買い付けの期間は11月8日から来年1月4日まで。シミックHDは7日の取締役会で、TOBへの賛同と株主への応募推奨を決議した。
ノバルティス、篠山工場に1億ドル投資…放射性リガンド療法の生産強化
ノバルティスファーマは11月7日、関連会社・日本チバガイギーの篠山工場(兵庫県丹波篠山市)の製造施設を拡張すると発表した。総額1億ドル(150億円)以上を投資し、放射性リガンド療法(RLT)の国内生産を強化する。拡張計画には、日本当局の要件に基づいて輸入原材料や国内製造した製剤に関する試験を行う品質管理試験室の設置を含む。拡張工事は段階的に行い、将来的に国内需要に応じた生産力を確保する。RLTを注力分野の1つに位置付けるスイス・ノバルティスは欧米でRLTの生産力強化に取り組んでおり、数カ月後には米インディアナポリスの最新製造施設をオープンさせる予定。
サワイGHD 2Q業績予想を上方修正
サワイグループHDは11月7日、2023年4~9月期業績予想を上方修正したと発表した。修正後の予想は▽売上収益1067億円(従来予想比10億円増)▽営業利益106億円(36億円増)▽税引前利益106億円(38億円増)▽四半期利益84億円(33億円増)。販管費や研究開発費の一部が下期にずれ込む。24年3月期通期の予想は従来予想を据え置いた。
丸石製薬、ドラッグリポジショニングでFRONTEOと提携
丸石製薬は11月7日、FRONTEOとドラッグリポジショニングを通じた医薬品開発で提携すると発表した。FRONTEOのAIと丸石製薬の知識や技術を組み合わせ、ドラッグリポジショニングによる医薬品開発を加速させる。
ノーベルファーマ 沢井の「ノベルジン」後発品、製造販売差し止めの仮処分申し立て
ノーベルファーマは11月6日、ウィルソン病治療薬(銅吸収阻害薬)・低亜鉛血症治療薬「ノベルジン」の後発医薬品を販売する沢井製薬に対し、製造販売の差し止めを求める仮処分を東京地裁に申し立てたと発表した。ノーベルファーマが保有する特許を侵害していると主張している。沢井は今年2月にノベルジン後発品の承認を取得し、8月に発売。ノーベルファーマは4月に沢井を相手取り特許侵害訴訟を起こした。
決算
エーザイ(23年4~9月期、11月7日発表)
▽売上収益3735億5300万円(前年同期比4.2%増)▽営業利益314億2700万円(498.3%増)▽税引前利益356億5800万円(338.4%増)▽四半期利益231億2900万円(24.1%減)。抗がん剤「レンビマ」や不眠症治療剤「デエビゴ」などの拡大、選択的エストロゲン受容体分解薬elacestrantの経済的収益受領権譲渡に伴う一時金の受領で増収・営業増益となった一方、前年同期に一時的な税金費用の減少があった反動で最終利益は減少した。24年3月期の連結業績予想は、売上収益7410億円(従来予想比290億円増)、営業利益510億円(10億円増)に上方修正した。
参天製薬(23年4~9月期、11月7日発表)
▽売上収益1458億600万円(前年同期比13.1%増)▽営業利益250億9900万円(前年同期は190億2100万円の赤字)▽税引前利益240億67500万円(191億300万円の赤字)▽四半期利益192億8000万円(220億4100万円の赤字)。中国市場が新型コロナウイルス感染症の影響から回復し、アジアやEMEAでも主力製品が堅調に推移した。24年3月期の連結業績予想は、売上収益3020億円(従来予想比170億円増)、営業利益410億円(60億円増)に上方修正した。
旭化成(23年4~9月期、11月7日発表)
医薬・医療事業の業績は、▽売上高1009億円(前年同期比2.0%増)▽営業利益75億円(48.3%減)。販管費の増加や米バイオノバの新規連結が利益を押し下げた。主力の骨粗鬆症治療薬「テリボン」の売上高は194億円(6.4%減)。24年3月期の業績予想は、売上高2130億円(従来予想比50億円減)、営業利益175億円(36億円減)に下方修正した。
ツムラ(23年4~9月期、11月7日発表)
▽売上高753億200万円(前年同期比7.4%増)▽営業利益102億1100万円(12.6%減)▽経常利益126億7500万円(20.6%減)▽純利益90億500万円(24.3%減)。原料生薬調達コストやエネルギー・原資材価格の高止まりなどが響いて大幅な減益となった。24年3月期業績予想は従来予想(売上高1505億円、営業利益180億円)を据え置いた。
アルフレッサHD(23年4~9月期、11月7日発表)
▽売上高1兆4278億5600万円(前年同期比7.2%増)▽営業利益159億9800万円(56.4%増)▽経常利益172億8000万円(50.4%増)▽純利益118億5000万円(69.3%増)。本業の医療用医薬品等卸売事業では、新型コロナウイルス感染症治療薬をはじめとする市場の拡大と、一部製薬企業による流通体制の変更や販管費の低減によって増収増益となった。24年3月期の業績予想は、従来予想(売上高2兆8600億円、営業利益360億円)から変更はない。