塩野義 早期退職に301人応募、予定の1.5倍
塩野義製薬は10月31日、8月1日から9月20日に募集した特別早期退職プログラムに301人が応募したと発表した。2024年3月末時点で50歳以上かつ勤続5年以上の社員が対象(マネージャーラインに従事する社員や一部の幹部職層は除く)で、募集人数(約200人)の1.5倍となった。応募した社員は10月31日付で退職。塩野義は23年4~9月期決算に転進支援関係費用として約66億円を計上した。24年3月期通期業績予想への影響は軽微としている。
「レキサルティ」認知症アジテーションへの適応拡大を日本で申請
大塚製薬は10月31日、抗精神病薬「レキサルティ」(一般名・ブレクスピプラゾール)について、「アルツハイマー型認知症に伴うアジテーション」への適応拡大を日本で申請したと発表した。申請は55~90歳の患者を対象に行った国内臨床第3相(P3)試験の結果に基づく。同薬は統合失調症治療薬として日本を含む60以上の国・地域で発売。認知症アジテーションの適応では今年5月に米国で初の承認を取得した。
そーせい、グループのイドルシアが不眠症治療薬ダリドレキサントを申請
そーせいグループは10月31日、子会社のイドルシア ファーマシューティカルズ ジャパンが、不眠症治療薬「ダリドレキサント」を日本で申請したと発表した。そーせいは今年7月にスイス・イドルシアの日本事業などを買収。日本ではイドルシアと持田製薬が同薬の共同開発・販売に関するライセンス契約を結んでおり、承認後は持田とイドルシアジャパンが共同販売する予定。申請に伴い、そーせいは15億円のマイルストンを受け取る。
第一三共、製造子会社2社を吸収合併
第一三共は10月31日、第一三共プロファーマと第一三共ケミカルファーマの製造子会社2社を来年4月1日付で吸収合併すると発表した。注力する抗体薬物複合体(ADC)の生産体制拡充や新規モダリティの開発を加速するため、3社に分散していた生産機能と生産技術開発機能を集約。開発から商用生産までのプロセスと各社の経験を融合し、生産の迅速性や生産性を向上させる。
サンド「オラセフ」の承継完了
サンドは10月31日、経口用セフェム系抗生物質製剤「オラセフ錠」(セフロキシム アキセチル)について、グラクソ・スミスクラインからの製造販売承認の承継が完了したと発表した。販売移管は来年1月9日に完了し、同日からサンドが販売元として販売を始める予定。
日本化薬 ROS1阻害薬の国内販売権取得、米アンハートから
日本化薬は10月30日、米アンハート・セラピューティクスと、同社が開発しているROS1阻害薬taletrectinibの日本での独占的販売権に関するライセンス契約を結んだと発表した。同薬は現在、日本を含むグローバルでP2試験を実施中。日本化薬は、日本での申請と承認後の一部製造、流通、販売、プロモーションなどを担う。日本化薬は一時金4000万ドル(約60億円)を支払うほか、開発・販売マイルストン、売上高に応じたロイヤリティを支払う。
BIKEN財団「ミールビック」改良品を申請
阪大微生物病研究会は10月30日、乾燥弱毒生麻疹・風疹混合ワクチン「ミールビック」の改良品を申請したと発表した。安定した原材料調達のため、製造工程で風疹ウイルスを培養する方法を変更した。ミールビックは2005年に発売され、現在は小児の定期接種と成人の風疹第5期定期接種に使われている。
決算
第一三共(23年4~9月期、10月31日発表)
▽売上収益7263億4400万円(前年同期比19.5%増)▽営業利益950億6300万円(0.5%減)▽税引前利益1020億9700万円(11.9%増)▽四半期利益970億600万円(66.4%増)。主力の抗がん剤「エンハーツ」や抗凝固薬「リクシアナ」などが伸び、円安の影響もあって大幅な増収。前年同期に中国子会社の譲渡益を計上した反動で、営業利益は横ばいだった。一過性の収益と費用を除外したコア営業利益は12.4%増。売り上げの好調な推移と、ADCに関する米メルクとの提携に伴う一時金収入や研究開発費の減少を反映し、24年3月期業績予想を売上収益1兆5500億円(従来予想比1000億円増)、営業利益1500億円(150億円増)に上方修正した。
塩野義製薬(23年4~9月期、10月31日発表)
▽売上収益2305億4200万円(前年同期比52.9%増)▽営業利益981億600万円(247.6%増)▽税引前利益1156億300万円(70.1%増)▽四半期利益901億9800万円(57.1%増)。新型コロナウイルス感染症治療薬「ゾコーバ」を含む感染症治療薬が売り上げを伸ばし、ADHD治療薬のライセンス移管に伴う一時金も大幅増収に寄与。国内医療用医薬品は前年同期比188.8%増となった。24年3月期の連結業績予想は従来(売上収益4500億円、営業利益1500億円)を据え置いた。
住友ファーマ(23年4~9月期、10月31日発表)
▽売上収益1526億4200万円(前年同期比52.2%減)▽営業利益864億9800万円の赤字(前年同期は289億1500万円の赤字)▽四半期利益677億3600万円の赤字(152億4300万円の赤字)。「ラツーダ」の特許切れが響き、北米グループ会社再編に伴う事業構造改善費用の計上で損失が拡大した。24年3月期の連結業績予想は従来(売上収益3620億円、コア営業利益620億円の赤字)から変更はない。
日本ケミファ(23年4~9月期、10月31日発表)
▽売上高148億3700万円(前年同期比8.6%減)▽営業利益2億9800万円の赤字(前年同期は1億6700万円)▽経常利益1000万円(98.6%減)▽純利益3100万円(96.5%減)。臨床検査薬が伸びたものの、後発医薬品が薬価改定の影響を受けて2桁減収となったことが響いた。24年3月期の業績予想は従来(売上高327億円、営業利益2億円)を据え置いた。