医師向けの薬剤比較アプリ「イシヤク」で、2023年7~9月に会員医師が検索した医薬品を製品別にランキングしました。
カロナールやラゲブリオも上位
2023年7~9月にイシヤクで医師が最も検索した薬剤は、塩野義製薬の鎮咳薬「メジコン」(一般名・デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物)で、前回(4~6月)の3位から順位を上げました。新型コロナウイルス感染症やインフルエンザといった感染症の流行で需要が増大し、5月中旬に解除した限定出荷を6月末に再開。日本医師会が8~9月に行った調査では院内処方、院外処方ともに入手困難な医薬品として最も多くの医療機関がメジコンを挙げています。
感染症に関連する治療薬では、あゆみ製薬の解熱鎮痛薬「カロナール」(アセトアミノフェン)やMSDの新型コロナ治療薬「ラゲブリオ」(モルヌピラビル)なども5位までに入っています。
メジコンに続く2位は、日医工のドパミン受容体拮抗薬「プリンペラン」(メトクロプラミド)。3位は前回1位だったエーザイのオレキシン受容体拮抗薬「デエビゴ」(レンボレキサント)でした。
前回ランク外から20位内に入ったのは、ブリストル・マイヤーズスクイブの抗凝固薬「エリキュース」やキッセイ薬品工業/杏林製薬の過活動膀胱治療薬「べオーバ」(ビベグロン)など。エリキュースは22年4~6月以来のランクインとなりました。抗凝固薬では第一三共の「リクシアナ」(エドキサバン)が前回と同じ7位で薬効内1位をキープしています。
【ピックアップ】新型コロナ、ラゲブリオやパキロビッドに検索集中
5月に感染法上の位置付けが5類に移行した新型コロナウイルス感染症の治療薬をピックアップしてみると、1位はラゲブリオ、2位はファイザーの「パキロビッドパック」(ニルマトレルビル/リトナビル)、3位はギリアド・サイエンシズの「ベクルリー点滴静注用」(レムデシビル)でした。
塩野義の「ゾコーバ錠」(エンシトレルビル)は4位。検索の多くは抗ウイルス薬に集中しており、「ゼビュディ点滴静注液」(グラクソ・スミスクライン)や「エバシェルド筋注」(アストラゼネカ)といった中和抗体薬とは検索数に大きな開きがあります。
【データ提供】医師向け薬剤比較アプリ「イシヤク」(flixy)
「医師にとって最も使いやすい!」を目指して現役医師が開発した医師向け薬剤比較アプリ(医師以外も登録可能)。医師の処方の観点から、ほかの薬剤との比較を主眼に2万以上の薬剤の特徴を簡潔にまとめている。全薬剤に専門医コメントも掲載しており、処方した医師の実感などを確認できる。さらに、肺がんに特化した最新の国内外の学会まとめスライドも掲載している。iOS・Androidアプリ・WEBサイト。 |