製薬業界 きょうのニュースまとめ読み（2023年8月10日）

ノボ、週1回投与のインスリン製剤を申請

ノボノルディスクファーマは8月10日、週1回投与のインスリン製剤インスリン イコデクを申請したと発表した。同薬は、強力かつ可逆的にアルブミンと結合した後、ゆるやかにアルブミンから解離してインスリン受容体と結合することで1週間にわたって血糖降下作用を示す。従来製剤は1日に1～2回の投与が必要だったことから、利便性や治療実施率の向上につながると期待される。米国でも申請済み。

アステラス、米マサチューセッツ州に新規ライフサイエンス拠点開設

アステラス製薬は8月10日、米マサチューセッツ州に新たな研究開発拠点を開設すると発表した。24年中に現地の不動産会社が所有するライフサイエンスビルに入居。オフィスエリアに加え、ミトコンドリア関連疾患を研究するマイトブリッジ部門の研究スペースや、外部パートナーと協業するインキュベータースペースを設ける。新拠点には、現在、ボストンを拠点としている開発、メディカル、事業開発、研究の従業員数百人が移る予定。アステラスはボストン周辺エリアでのプレゼンスを高めるとともに、イノベーションやコラボレーションの機会創出を目指す。同社は20年にも再生・細胞医療分野の研究拠点をボストン郊外に設置している。

そーせいの経口がん免疫療法薬、P1/2a試験を開始

そーせいグループは8月10日、自社で見出した経口がん免疫療法候補薬「HTL0039732」について、進行性固形がんを対象とする臨床第1/2a相（P1/2a）試験を開始したと発表した。試験の資金拠出、デザイン、実施は英国王立がん研究基金が担当している。HTL0039732はプロスタグランジンE2（PGE2）に対する受容体の1つであるEP4受容体を介したシグナル伝達を阻害する薬剤。がん細胞の免疫回避を活性化させるPGE2の作用を阻害し、免疫系ががん細胞を識別・抑制する機能を高めることで、マイクロサテライト安定性大腸がんや胃食道がんなどへの効果が期待される。

モデルナ　鈴木社長、12月末で退任へ

モデルナ・ジャパンは8月10日、12月31日付で代表取締役社長の鈴木蘭美氏が辞任すると発表した。10日以降、後任が決まるまで、オーストラリアのジェネラルマネジャーを務めるマイケル・アズラック氏が日本のジェネラルマネジャー代行を兼任する。鈴木氏は21年12月から社長を務めている。