欧米の大手製薬企業19社の2022年の決算を▽売上高・純利益▽研究開発費▽主力製品の売上高▽疾患領域・事業別売上高▽地域別売上高――5つの切り口からチャートで解説します。
【チャートで見る】欧米製薬大手2022年の決算
(1)売上高・純利益・研究開発費 |
稼ぎ頭は米国
欧米大手製薬企業19社のうち、2022年の決算で地域別の売上高を公表した18社について、その額と構成比をチャートにまとめました。
各社とも、稼ぎ頭はやはり米国です。18社のうち、売上高に占める米国の割合が最も高かったのは16社(「北米」や「アメリカス」としている企業を含む)。米国の比率が最も高いのは米アッヴィ(79%)で、米ブリストル・マイヤーズスクイブ(69%)や英グラクソ・スミスクライン(同)、米アムジェン(67%)など8社が売り上げの半分以上を米国で稼いでいます。
一方、独バイエルは「欧州/中東/アフリカ」での売り上げが39%と最も多く、米モデルナも欧州(35%)の比率が最大。バイエルは北米が3番目(25%)で、アジア/パシフィック(31%)を下回っています。
日本の売り上げは
18社のうち、決算資料で日本の売上高が確認できたのは5社。最も売り上げが大きかったのはスイス・ロシュ(67.75億ドル)で、米メルク(35.42億ドル)、スイス・ノバルティス(22.05億ドル)、米イーライリリー(17.47億ドル)、米アッヴィ(9.56億ドル)と続きました。
5社のうち売上高全体に占める日本の割合が最も高かったのもロシュ(9.7%)で、メルクは6.8%、リリーは6.1%、ノバルティスは4.4%、アッヴィは1.6%。ロシュとメルクを除く3社は、前年から日本の売り上げが減少しました。