ノバルティス「ルタテラ」の承継完了…富士フイルム富山化学から
ノバルティスファーマは3月31日、放射性医薬品「ルタテラ静注」(一般名・ルテチウムオキソドトレオチド〈177Lu〉)について、富士フイルム富山化学からの承継が完了したと発表した。流通は、富士フイルム富山化学の放射性医薬品事業を引き継いだペプチドリーム子会社PDRファーマが担当を続ける。日本では富士フイルム富山化学が2021年に発売。開発元への権利返還に伴い、22年7月からノバルティスが情報提供活動を行いながら承継の準備を進めてきた。
「ゾコーバ」一般流通を開始
塩野義製薬は3月31日、新型コロナウイルス感染症治療薬「ゾコーバ錠」(エンシトレルビル フマル酸)について、同日から一般流通を開始したと発表した。同薬は昨年11月に緊急承認を取得後、国が買い上げて医療機関や薬局に配布してきたが、今年3月の薬価収載を経て一般流通に移行した。
サノフィ「デュピクセント」特発性の慢性蕁麻疹の適応追加申請
サノフィは3月31日、抗IL-4/13抗体「デュピクセント」(デュピルマブ)について、特発性の慢性蕁麻疹への適応拡大を申請したと発表した。同疾患は、膨疹や皮下深部の浮腫が突然現れるのが特徴。治療には抗ヒスタミン薬が使われるが、症状をコントロールできない患者も多く、ほかの治療選択肢は限られている。デュピクセントが標的とするIL-4とIL-13は2型炎症で中心的な役割を果たすタンパク質で、2型炎症は特発性の慢性蕁麻疹にも関与しているとされる。
ファイザー「ソル・メドロール」の適応拡大を申請
ファイザーは3月31日、副腎皮質ホルモン剤「ソル・メドロール静注用」(メチルプレドニゾロンコハク酸エステルナトリウム)について、川崎病の急性期への適応拡大を申請したと発表した。同薬は、静注用免疫グロブリン不応または不応と予測される急性期川崎病の患者に対し、国内外の診療ガイドラインなどにもとづいて標準的に使用されている。日本小児循環器学会などが適応追加を要望し、厚生労働省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」が医療上の必要性が高いと判断。同省がファイザーに開発を要請した。
武田薬品、代表取締役日本管掌の岩崎氏が退任へ
武田薬品工業は3月30日、代表取締役日本管掌の岩崎真人氏が6月28日付で退任すると発表した。岩崎氏が退任の意向を示したという。退任後はジャパンファーマビジネスユニットプレジデントの古田未来乃氏が日本カントリー・ヘッドを兼任する。岩崎氏は1985年に武田薬品に入社。製品戦略部長や医薬営業本部長などを歴任し、2014年にジャパンファーマビジネスユニットプレジデントに就任。21年から現職を務め、日本の事業活動全般を統括してきた。
第一三共、中枢神経疾患治療薬の開発でベルギー企業と提携
ベルギーのコンフォ・セラピューティクスは3月30日、中枢神経系疾患に対する治療薬の開発で第一三共と提携したと発表した。コンフォはGタンパク質共役受容体(GPCR)を標的とする創薬プラットフォームを持っており、これを活用して化合物を創出。第一三共は、得られた化合物についてグローバルな独占的ライセンスを取得し、開発・商業化のオプションを保有する。第一三共は、一時金と開発・商業化のマイルストン、ロイヤリティとして総額1億6800万ユーロ(約243億円)を支払う可能性がある。
NEC、創薬事業の体制再編…欧州に新子会社
日本電気は3月31日、創薬事業の体制を再編したと発表した。オランダにAI創薬事業全体を統括する新会社「NEC Bio」(NB)を設立し、個別化ネオアンチゲンワクチンの開発に取り組むNEC OncoImmunity(ノルウェー)をNBの傘下に収める。さらに、NBの子会社として臨床開発を主導する「NEC Bio Therapeutics」(ドイツ)を設立し、事業の加速を図る。