サノフィ 子宮頸がん治療薬「リブタヨ」発売
サノフィは3月30日、免疫チェックポイント阻害薬の抗PD-1抗体「リブタヨ点滴静注」(一般名・セミプリマブ)を発売したと発表した。適応は「がん化学療法後に増悪した進行・再発の子宮頸がん」。同薬は米リジェネロンが創製し、両社で共同開発。現在はリジェネロンがグローバルで同薬の開発とマーケティングを行っているが、日本では同社に代わってサノフィが販売する。薬価は350mg7mL1瓶45万437円。ピーク時に23億円の売り上げを見込む。
ファイザー、20価肺炎球菌ワクチンを申請
ファイザーは3月30日、沈降20価肺炎球菌結合型ワクチンを申請したと発表した。小児の肺炎球菌による侵襲性感染症を予防する。ファイザーが製造販売する13価ワクチン「プレベナー13」に7血清型を加えたもので、より広範囲な血清型をカバーする。米国や欧州では成人を対象に承認済みで、小児適応でも申請中。国内では高齢者を対象としたP3試験が行われている。
JCRファーマ、米アレクシオンと神経変性疾患治療薬の共同研究
JCRファーマは3月30日、米アレクシオン・アストラゼネカ・レア・ディジーズと、神経変性疾患に対する非公開の治療薬候補物質に関する共同研究・選択権・ライセンス契約を結んだと発表した。JCR独自の血液脳関門(BBB)通過技術「J-Brain Cargo」を適用した候補物質について、両社で研究開発を実施。アレクシオンは、候補物質となるタンパク質を追加できる選択権と、非臨床研究以降の臨床開発・事業化に関する選択権を持つ。対価としてJCRは一時金を受け取るほか、研究開発・販売マイルストン、ロイヤリティを受け取る権利を有する。
GHIT Fund、マイセトーマ治療薬などの開発に約4億円投資
グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)は3月30日、マイセトーマ治療薬やオンコセルカ症治療薬などの開発に約4億円を投資すると発表した。投資するのは、▽真菌性マイセトーマに対するホスラブコナゾールの薬事申請、患者アクセスに向けた準備(エーザイ、Drugs for Neglected Diseases initiative〈DNDi〉、約3億円)▽マラリアに対するmRNAワクチン開発に向けた標的研究(愛媛大など、約7000万円)▽オンコセルカ症治療薬の前臨床開発(ボゾリサーチセンター、DNDiなど、約3000万円)――。GHIT Fundが投資するプロジェクトは53件が進行中で、これまでの累積投資金額は約291億円となる。
JCRファーマ、通期予想を下方修正
JCRファーマは3月30日、2023年3月期の業績予想を下方修正すると発表した。修正後の予想は、売上高342億円(従来予想比108億円減)、営業利益50億円(95億円減)。開発中のライソゾーム病治療薬「JR-171」「JR-441」「JR-446」など、開発品目のライセンス契約が期間中の締結に至らず、契約金収入が計画を89億円下回る。製品売上高についても主力製品が計画を下回る見通し。
久光、23年2月期予想を上方修正
久光製薬は3月30日、2023年2月期の業績予想を上方修正すると発表した。修正後の予想は、売上高1283億円(従来予想比53億円増)、営業利益115億円(4億円増)。消炎鎮痛薬「サロンパス」など一般用医薬品の売り上げが伸びたほか、円安の影響で売上高、営業利益とも従来予想を上回る。
アルフレッサ、アクシスルートHDに追加出資
アルフレッサは3月30日、資本提携先のアクシスを傘下に持つアクシスルートホールディングス(HD)に追加出資すると発表した。アクシスはクラウド型電子薬歴「Medixs(メディクス)」の開発・運営を手掛ける企業。アルフレッサは12年に出資し、調剤薬局向けに提案営業を強化してきた。地域包括ケアシステムで調剤薬局に求められる役割や期待が多様化する中、追加出資によってアクシスの事業拡大を支援。新規サービスの検討も進める。
塩野義、中枢神経領域の投資ファンドとLP契約
塩野義製薬は3月29日、オランダのファンドLSP Dementia Fund(LSP DF)と、リミテッド・パートナー(LP)出資契約を結んだと発表した。LSP DFは、欧州の投資会社EQT Life Sciencesが運営する中枢神経領域に特化したファンド。神経変性疾患や認知症に対する医薬品・医療機器を開発する企業に投資を行っている。契約により塩野義は、LSP DFのネットワークを活用したり、同ファンドの投資対象企業の情報を参照したりすることが可能になる。研究力の強化や自社パイプラインの拡充につなげる。
決算
独ベーリンガーインゲルハイム(2022年12月期、3月29日発表)
売上高241億4900万ユーロ(約3兆3257億円、為替調整後で前期比10.5%増)、営業利益47億7000万ユーロ(1.4%増)、税引後利益31億8100万ユーロ。主力のSGLT2阻害薬「ジャディアンス」(58億ユーロ、39.1%増)と抗線維化薬「オフェブ」(32億ユーロ、20.6%増)が好調で、医療用医薬品の売上高は前期比13.6%増の184億6100万ユーロとなった。日本の医療用医薬品の売上高は13億2900万ユーロ(5.6%増)。23年12月期は緩やかな成長を予測しており、比較可能な売上高で微増を見込む。