三菱ケミカルG メディカゴの事業から撤退、コロナワクチンの商用化断念
三菱ケミカルグループは2月3日、田辺三菱製薬の子会社メディカゴ(カナダ)の全事業から撤退すると発表した。メディカゴは、植物由来ウイルス様粒子技術を使ったワクチンの開発を手掛ける企業。2022年2月にはカナダで新型コロナウイルスワクチンの承認を取得したが、需要や市場環境、商用規模生産への移行などを検討した結果、同ワクチンの商用化を断念。ほかの開発品についても、さらなる投資を継続的に行っていくのは困難と判断した。今後は、メディカゴの活動を大幅に縮小し、清算の手続きなどを進める。田辺三菱は13年に約170億円でメディカゴを買収した。
科研、23年3月期業績予想を下方修正
科研製薬は2月3日、2023年3月期通期業績予想を下方修正したと発表した。修正後の予想は、売上高735億円(従来予想比29億円減)、営業利益75億円(75億円減)。競合品の影響もあって売上高が伸び悩むほか、導入品に関する契約一時金の支払いで研究開発費が計画を大きく上回る。
決算
米メルク(2022年12月期、2月2日発表)
売上高592億8300万ドル(約7兆6238億円、前期比22%増)、純利益145億1900万ドル(18%増)。免疫チェックポイント阻害薬「キイトルーダ」が前期比22%増の209億3700万ドルを売り上げたほか、HPVワクチン「ガーダシル/ガーダシル9」も22%増と好調だった。新型コロナウイルス感染症治療薬「ラゲブリオ」の売上高は56億8400万ドル(前期は9億5200万ドル)。23年12月期は売上高572億~587億ドルを予想。ラゲブリオの販売が大幅に減少する見込み。
米ブリストル・マイヤーズスクイブ(2022年12月期、2月2日発表)
売上高461億5900万ドル(約5兆9409億円、前期比0.5%減)、純利益63億4500万ドル(15%減)。抗凝固薬「エリキュース」(117億8900万ドル)や免疫チェックポイント阻害薬「オプジーボ」(82億4900万ドル)は前期から10%売り上げを伸ばしたが、後発医薬品との競争が激しくなっている抗がん剤「レブラミド」が大きく売り上げを落とした。23年12月期は約2%の増収を見込んでいる。
米イーライリリー(2022年12月期、2月2日発表)
売上高285億4100万ドル(約3兆6734億円、前期比1%増)、純利益62億4500万ドル(12%増)。GLP-1受容体作動薬「トルリシティ」が74億4000万ドル(15%増)と好調で、乳がん治療薬「ベージニオ」や乾癬治療薬「トルツ」、SGLT2阻害薬「ジャディアンス」なども堅調だった。23年12月期は売上高303億~308億ドルと増収を予想している。