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薬剤比較アプリで医師が最も検索した薬剤は?(2022年10~12月、年間)

更新日

亀田真由

 

医師向けの薬剤比較アプリ「イシヤク」で、2022年10~12月に会員の医師が検索した薬剤を製品別・薬効別にランキングしました。2022年の年間トップ10もまとめています。

 

【製品別】「デエビゴ」年間通じてトップ

イシヤクで2022年10~12月に医師が最も検索した薬剤は、エーザイの不眠症治療薬「デエビゴ錠」(一般名・レンボレキサント)でした。同薬は年間を通して検索数1位をキープし、22年に最も検索された薬剤となりました。10位となった「ベルソムラ錠」(スボレキサント)を含め、オレキシン受容体拮抗薬を含む睡眠薬全体への関心も高く、イシヤクが医師向けにアプリ上で提供している疾患別・薬効別に治療薬をまとめた資料でも、22年は「睡眠薬」が最も多く見られたといいます。

 

【2022年10~12月】医師が最も検索した薬剤(製品別)<順位/製品名/薬効>1/→/STAY/デエビゴ錠/オレキシン受容体拮抗薬|2/→/STAY/エンレスト錠/アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬(ARNI)|3/▲/UP/メジコン錠/散/配合シロップ/鎮咳薬(非麻薬性)|4/▲/UP/タリージェ錠/神経障害性疼痛治療薬|5/▲/UP/アジルバ錠/顆粒/アンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)|6/▲/UP/ソセゴン錠/注射液/非麻薬性鎮痛薬|7/▲/UP/リリカカプセル/OD錠/神経障害性疼痛治療薬|8/▼/DOWN/フォシーガ錠/SGLT2阻害薬|9/▼/DOWN/リクシアナ錠/OD錠/直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)|10/▼/DOWN/トランサミンカプセル/散/錠/注/抗プラスミン薬|11/▼/DOWN/ベルソムラ錠/オレキシン受容体拮抗薬|12/▼/DOWN/カロナール錠/細粒/原末/シロップ/坐剤/坐剤小児用/アセトアミノフェン|13/▼/DOWN/ベタニス錠/β3刺激薬|14/▲/UP/イーケプラ錠/点滴静注/ドライシロップ/抗てんかん薬|15/▼/DOWN/タケキャブ錠/プロトンポンプ阻害薬(PPI)|16/▼/DOWN/アミティーザカプセル/ClC-2チャネル活性化剤|17/▲/UP/ラゲブリオカプセル200mg/抗新型コロナウイルス薬|18/▲/UP/ポララミン錠/散/注/シロップ/第一世代抗ヒスタミン薬|19/▲/UP/グーフィス錠/胆汁酸トランスポーター阻害薬|20/▼DOWN/プリンペラン錠/細粒/シロップ/注射液/ドパミン受容体拮抗薬|21/▲/UP/ジャディアンス錠/SGLT2阻害薬|※医師向け薬剤比較アプリ「イシヤク」提供データをもとに作成

 

22年10~12月の検索数2位は、前回(22年7~9月)に続いてノバルティスファーマの慢性心不全・高血圧症治療薬「エンレスト錠」(サクビトリルバルサルタン)。年間でも2位となりました。

 

3位は、前回9位だったシオノギファーマの鎮咳薬「メジコン」(デキストロメトルファン)。前回3位のあゆみ製薬の解熱鎮痛薬「カロナール」(アセトアミノフェン)は12位となりました。いずれも、新型コロナウイルス感染拡大の影響で需要が増加した薬剤です。MSDの抗ウイルス薬「ラゲブリオカプセル」(モルヌピラビル)は17位でした。

 

4位は第一三共の疼痛治療薬「タリージェ錠」(ミロガバリン)で、前回の12位から順位を8つ上げました。神経障害性疼痛治療薬では、ヴィアトリス製薬の「リリカ」(プレガバリン)も20位から7位にランクアップ。5位は、武田薬品工業の高血圧症治療薬「アジルバ」(アジルサルタン)でした。

 

新たにトップ20に入ったのは、18位の第一世代抗ヒスタミン薬「ポララミン」(d-クロルフェニラミン、高田製薬)と、19位の慢性便秘症治療薬「グーフィス」(エロビキシバット、EAファーマ)。同じく慢性便秘症を対象とするClC-2チャネル活性化剤「アミティーザ」(ルビプロストン、ヴィアトリス製薬)は16位。胆汁酸トランスポーター阻害薬のグーフィスと比較されたとうかがえます。

 

22年の年間検索数トップ10には、デエビゴやエンレスト、カロナールなどが並んでいます。

 

【【2022年:年間】医師が最も検索した薬剤(製品別)】<順位/製品名/薬効>1/デエビゴ錠/オレキシン受容体拮抗薬|2/エンレスト錠/アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬(ARNI)|3/カロナール錠/細粒/原末/シロップ/坐剤/坐剤小児用/アセトアミノフェン|4/フォシーガ錠/SGLT2阻害薬|5/ベルソムラ錠/オレキシン受容体拮抗薬|6/アジルバ錠/顆粒/アンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)|7/タリージェ錠/神経障害性疼痛治療薬|8/メジコン錠/散/配合シロップ/鎮咳薬(非麻薬性)|9/リクシアナ錠/OD錠/直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)|10/ソセゴン錠/注射液/非麻薬性鎮痛薬||※医師向け薬剤比較アプリ「イシヤク」提供データをもとに作成

 

【薬効別】年間トップは「第二世代抗ヒスタミン薬」

2022年10~12月の薬効別の検索数は、1位から4位までが前回(22年7~9月)、前々回(22年4~6月)と同じ顔ぶれとなりました。医師の検索数が最も多かったのは、アレルギー性鼻炎治療薬の第二世代抗ヒスタミン薬。2位は高血圧症・狭心症治療薬のカルシウム拮抗薬(ジヒドロピリジン系)で、3位はアンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)、4位はプロトンポンプ阻害薬(PPI)でした。

 

【2022年10~12月】医師が最も検索した薬剤(薬効別)】<順位/薬効分類>1/→/STAY/第二世代抗ヒスタミン薬|2/→/STAY/Ca拮抗薬(ジヒドロピリジン系)|3/→/STAY/アンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)|4/→/STAY/プロトンポンプ阻害薬(PPI)|5/▲/UP/DPP-4阻害薬|6/▼/DOWN/非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)内服・坐剤|7/▼/DOWN/漢方製剤|8/→/STAY/去痰薬|9/→/STAY/防御因子増強薬|10/▲UP/神経/障害性疼痛治療薬|11/▲/UP/抗コリン薬(消化器系)|12/▲/UP/オレキシン受容体拮抗薬|13/▲/UP/非定型抗精神病薬(セロトニン・ドパミン拮抗薬=SDA)|14/▼/DOWN/SGLT2阻害薬|15/▼/DOWN/β-ラクタマーゼ阻害薬配合剤|16/▲/UP/スタチン系17/▲/UP/第一代抗ヒスタミン薬|18/▼/DOWN/ドパミン受容体拮抗薬|19/▼/DOWN/直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)|20/▲/UP/第三世代セフェム系抗菌薬|※医師向け薬剤比較アプリ「イシヤク」提供データをもとに作成

 

年間を通して見ても、トップは第二世代抗ヒスタミン薬。薬効内の製品がトップ20にランクインしたのは花粉症シーズンに重なった2022年1~3月だけでしたが、1年で最も検索された薬効となりました。5位に糖尿病治療薬のDPP-4阻害薬が入り、同じく糖尿病などの治療に使用されるSGLT2阻害薬も9位となりました。

 

【【2022年:年間】医師が最も検索した薬剤(薬効別)】<順位/薬効分類>1/第二世代抗ヒスタミン薬|2/Ca拮抗薬(ジヒドロピリジン系)|3/アンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)|4/プロトンポンプ阻害薬(PPI)|5/DPP-4阻害薬6/非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)内服・坐剤|7/漢方製剤|8/オレキシン受容体拮抗薬|9/SGLT2阻害薬|10/去痰薬|※医師向け薬剤比較アプリ「イシヤク」提供データをもとに作成

 

【データ提供】医師向け薬剤比較アプリ「イシヤク」(flixy)

「医師にとって最も使いやすい!」を目指して現役医師が開発した医師向け薬剤比較アプリ(医師以外も登録可能)。医師の処方の観点から、ほかの薬剤との比較を主眼に2万以上の薬剤の特徴を簡潔にまとめている。薬効検索や腎機能表示、疑義照会、レセプト返戻にも対応し、忙しい外来でも処方に必要な情報を確認できるのが特徴。全ての薬剤に専門医のコメントが掲載されており、処方した医師の実感などを確認できる。iOS・Androidアプリ。

 

AnswersNews編集部が製薬企業をレポート

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