小野薬品、日鉄ソリューションズと統合データ基盤構築
小野薬品工業は11月11日、日鉄ソリューションズと共同で統合データ利活用基盤「OASIS(Ono Advanced Scientific Insight Service)」を構築し、利用を開始したと発表した。各部門が保有しているデータを一元管理し、全社的に利活用できるシステム。臨床現場で得られるリアルワールドデータや各部門に蓄積された非臨床試験データ、臨床試験データ、安全性情報などを統合的に利活用することで、効率的な創薬につなげる。
スズケン、ヘルステック2社と資本業務提携
スズケンは11月11日、ヘルステック企業2社と資本業務提携したと発表した。提携したのは、AIによる献立栄養管理支援アプリを提供する「おいしい健康」(東京都中央区)と、Wi-Fiセンシング技術を使った見守りサービスを展開する「ai6」(同)で、コーポレートベンチャーキャピタルファンドがそれぞれの新株を引き受ける。スズケンは新規事業の創出や製薬企業向けサービスの開発などにつなげる。
第一三共 ADCめぐる特許紛争、米シージェンが仲裁判断の取り消し申し立て
第一三共は11月11日、抗体薬物複合体(ADC)の特許をめぐる米シージェンとの紛争で、同社の主張を否定した仲裁判断の取り消しを求めて同社が米ワシントン州西部地区連邦地裁に申し立てを提出したと発表した。今年8月の仲裁判断では、第一三共のADC技術に関する知的財産権の一部が共同研究を行ったシージェンに帰属するとした同社の主張を全面的に否定した。第一三共は「仲裁判断は妥当だと考えており、申し立てに対して積極的に抗弁していく」としている。
決算
スズケン(2022年4~9月期、11月11日発表)
売上高1兆1383億1000万円、営業利益148億8200万円。メーカーへの販売情報提供に関する収入の表示方法や販売価格未決定先の販売価格の見積り方法を変更したため、前年同期からの増減は公表していない。医薬品卸売事業の売上高は1兆947億7100万円、営業利益は121億3700万円だった。スペシャリティ医薬品などの新薬や新型コロナウイルス感染症関連商材の売り上げが伸びた。23年3月期の全社の業績予想は、売上高2兆2710億円(従来予想比480億円増)、営業利益249億円(61億円増)に上方修正。下期のコロナ関連商材の見通しや原材料費高騰の影響が不透明だとし、上期の上振れ分のみを反映した。
東邦HD(2022年4~9月期、11月11日発表)
売上高6797億1900万円(前年同期比9.5%増)、営業利益40億8400万円(119.2%増)。医薬品卸売事業は、取り扱い卸を限定した製品や新型コロナウイルス感染症治療薬・検査キットの売り上げが拡大し、売上高6548億2000万円(9.7%増)、営業利益33億3100万円(194.7%増)となった。23年3月期の業績予想は、売上高1兆2690億円、営業利益123億円の従来予想を据え置いた。