中央社会保険医療協議会(中医協)総会は8月10日、BioMarin Pharmaceutical Japanの軟骨無形成症治療薬「ボックスゾゴ皮下注用」や大鵬薬品工業の消化管間質腫瘍治療薬「ジェセリ錠」など新薬7成分9品目の薬価収載を了承した。収載は18日付。昨年12月に特例承認されたMSDの新型コロナウイルス感染症治療薬「ラゲブリオカプセル」も薬価収載され、保険適用される。
「ボックスゾゴ」ピーク時に232億円、「ラゲブリオ」は138億円
「ボックスゾゴ皮下注用」(一般名・ボソリチド)は、骨端線閉鎖を伴わない軟骨無形成症治療薬。ヒトC型ナトリウム利尿ペプチド辺縁体で、ナトリウム利尿ペプチド受容体Bを活性化することで線維芽細胞増殖因子受容体シグナル伝達を抑制し、軟骨内骨化を促進する作用を持つ。薬価は原価計算方式で算定され、▽0.4mg1瓶12万1034円▽0.56mg1瓶12万4241円▽1.2mg1瓶12万4994円――となった。有用性加算II(5%)と市場性加算I(10%)がついたが、原価の開示度によって加算係数はゼロとされた。ピーク時に薬価ベースで232億円の販売を見込む。
「ジェセリ錠」(ピミテスピブ)の適応は、「がん化学療法後に増悪した消化管間質腫瘍」。HSP90を阻害する新規の作用機序を持つ。薬価は「スチバーガ錠」(レゴラフェニブ水和物)を最類似薬とする類似薬効比較方式Iで算定され、40mg1錠6265.00円。有用性加算II(5%)がついた。ピーク時に1億円の売り上げを予測している。
新型コロナウイルス感染症に対する経口抗ウイルス薬「ラゲブリオカプセル」(モルヌピラビル)は、ギリアド・サイエンシズの「ベクルリー点滴静注用」(レムデシビル)を最類似薬とする類似薬効比較方式Iで算定。有用性加算II(10%)がつき、薬価は200mg1カプセル2357.80円となった。ピーク時の販売予測は138億円。
国内初の寒冷凝集素症治療薬「エジャイモ」も収載
このほか、18日付で薬価収載されるのは
▽高脂血症治療薬「エパデールEMカプセル」(イコサペント酸エチル)=持田製薬
▽末梢性T細胞リンパ腫治療薬「ダルビアス点滴静注用」(ダリナパルシン)=ソレイジア・ファーマ
▽寒冷凝集素症治療薬「エジャイモ点滴静注」(スチムリマブ)=サノフィ
など。
エパデールEMは、製剤工夫によって従来の「エパデール」より投与回数を少なくした製剤。エジャイモは国内初の寒冷凝集素症治療薬で、有用性加算II(5%)と市場性加算I(10%)がついたが、原価の開示度によって加算係数はゼロとなった。
新薬創出加算の対象となったのは、ジェセリ、ラゲブリオ、ボックスゾゴ、エジャイモの4成分。ラゲブリオは費用対効果評価の対象となった。