ファイザー、オミクロン株対応ワクチンを申請
ファイザーは8月8日、オミクロン株に対応した新型コロナウイルスワクチンを日本で申請したと発表した。新型コロナウイルスの起源株とオミクロン株BA.1系統のスパイクタンパク質をコードする2種類のメッセンジャーRNAを含む2価ワクチン。政府はオミクロン株に対応したワクチンの接種を10月にも開始する方針。
インサイト「ペマジール」骨髄性・リンパ性腫瘍への適応拡大を申請
インサイト・バイオサイエンシズ・ジャパンは8月8日、FGFR阻害薬「ペマジール錠」(一般名・ペミガチニブ)について、「FGFR1融合遺伝子陽性の骨髄性またはリンパ性腫瘍」への適応拡大を申請したと発表した。FGFR1融合遺伝子陽性の骨髄性またはリンパ性腫瘍はまれな血液がんの 1つ。染色体のFGFR1遺伝子が存在する領域が切断され、別の染色体の断片と融合した染色体異常によって引き起こされます。予後は不良で、治癒や長期寛解を期待できる治療法は同種造血幹細胞移植に限られる。同薬は昨年3月、がん化学療法後に増悪したFGFR2融合遺伝子陽性の治癒切除不能な胆道がんの治療薬として承認を取得した。
第一三共「エンハーツ」米でHER2低発現乳がんの承認取得
第一三共は8月8日、抗HER2抗体薬物複合体(ADC)「エンハーツ」(トラスツズマブ デルクステカン)について、米国でHER2低発現乳がんへの適応拡大の承認を取得したと発表した。同適応では米FDA(食品医薬品局)からブレークスルーセラピーの指定を受け、優先審査とリアルタイム・オンコロジー・レビュー・プログラムによって7月25日の申請受理から2週間での承認となった。FDAが主導する同時審査の枠組み「プロジェクトOrbis」を活用し、オーストラリア、カナダ、スイス、ブラジルでも審査が行われている。HER2低発現乳がんの適応では、欧州と日本でも申請中。
マルホ、アトピー性皮膚炎治療薬「ミチーガ」発売
マルホは8月8日、アトピー性皮膚炎治療薬「ミチーガ皮下注用」(ネモリズマブ)を発売したと発表した。同薬は中外製薬が創製した抗IL-31受容体A抗体。IL-31はかゆみを誘発するサイトカインで、ミチーガはIL-31と受容体との結合を阻害することでかゆみを抑制する。マルホは2016年に皮膚科疾患領域を対象に国内の権利を獲得し、今年3月に承認を取得した。薬価は60mgシリンジ1筒11万7181円。ピーク時に薬価ベースで23億円の売り上げを見込む。
中外「アレセンサ」後発品めぐる特許訴訟、米国で和解
中外製薬は8月8日、抗がん剤「アレセンサ」(アレクチニブ塩酸塩)の後発医薬品をめぐる米国での特許侵害訴訟で独フレゼニウス・カービの米国子会社と和解契約を結んだと発表した。中外は2020年3月、フレゼニウスの米国子会社が行った後発品の簡略新薬承認申請が、中外保有の特許に抵触しているとして米デラウエア州連邦地裁に提訴。和解に伴い、訴訟は取り下げる。
住友ファーマ「マイフェンブリー」米で子宮内膜症への適応拡大承認
住友ファーマは8月8日、米子会社マイオバント・サイエンシズが「MYFEMBREE(マイフェンブリー)」(レルゴリクス/エストラジオール /酢酸ノルエチンドロン)の子宮内膜症への適応拡大の承認を米国で取得したと発表した。適応は「閉経前の女性の子宮内膜症に伴う中等度から重度の痛み」。承認に伴い、マイオバントは提携先の米ファイザーからマイルストンとして1億ドル(約125億円)を受け取る。
テラが破産、負債総額1.8億円
テラは8月5日、東京地裁から破産手続き開始の決定を受けたと発表した。負債総額は約1億8765万円。同社は2004年6月に設立され、医療機関に対する樹状細胞ワクチン療法のノウハウ提供や再生・細胞医療の研究開発などを行っていた。契約医療機関からの収入の落ち込みや研究開発費の負担によって慢性的な赤字が続いており、今年6月には当面の資金繰りにも窮するようになったという。新型コロナウイルス感染症治療薬の開発をめぐる虚偽開示などで信用は失墜し、資金調達もできなかった。