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連載・コラム

薬剤比較アプリで医師が最も検索した薬剤は?(2022年1~3月)

更新日

亀田真由

医師向けの薬剤比較アプリ「イシヤク」で、2022年1~3月に会員の医師が検索した薬剤を製品別・薬効別にランキングしました。

 

【製品別】「デエビゴ」「ベルソムラ」がトップ

イシヤクで今年1~3月に医師が最も検索した薬剤は、エーザイの不眠症治療薬「デエビゴ錠」(一般名・レンボレキサント)でした。同薬は、覚醒に関与するオレキシン受容体の2つのサブタイプ(オレキシン1/2受容体)を標的とし、オレキシンと競合的に結合する拮抗薬。2位には同じ作用機序であるMSDの「ベルソムラ錠」(ズボレキサント)が入り、両剤を比較した医師が多かったことがうかがえます。

 

不眠症治療薬では、武田薬品工業の「ロゼレム錠」(ラメルテオン)やアステラス製薬の「マイスリー錠」(ゾルピデム酒石酸塩)も上位20位に入っています。

 

【【2022年1~3月】医師が最も検索した薬剤(製品別)】<順位/製品名/薬効>1/▲UP/デエビゴ錠/オレキシン受容体拮抗薬|2/▲UP/ベルソムラ錠/オレキシン受容体拮抗薬|3/▼DOWN/フォシーガ錠/SGLT2阻害薬|4/▼DOWN/エンレスト錠/アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬(ARNI)|5/▲UP/ビラノア錠/OD錠/第二世代抗ヒスタミン薬|6/▲UP/タケキャブ錠/プロトンポンプ阻害薬(PPI)|7/▲UP/アレグラ錠/OD錠/ドライシロップ/第二世代抗ヒスタミン薬|8/▲UP/デザレックス錠/第二世代抗ヒスタミン薬|9/▲UP/ロゼレム錠/メラトニン受容体作動薬|10/▲UP/アジルバ錠/顆粒/アンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)|10/▼DOWN/カロナール錠/細粒/シロップ/原末/坐剤/アセトアミノフェン|12/▼DOWN/アムロジン錠/OD錠/Ca拮抗薬|13/▲UP/ネキシウムカプセル/懸濁用顆粒分包/プロトンポンプ阻害薬(PPI)|14/▼DOWN/リクシアナ錠/OD錠/直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)|15/▲UP/マイスリー錠/非ベンゾジアゼピン(BZD)系睡眠薬(超短時間型)|16/→STAY/ベタニス錠/β3刺激薬|17/▲UP/エリキュース錠/直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)|17/▲UP/タリージェ錠/神経障害性疼痛治療薬|19/▼DOWN/イーケプラ錠/点滴静注/ドライシロップ/抗てんかん薬|20/▲UP/ザイザル錠/OD錠/シロップ/第二世代抗ヒスタミン薬|※医師向け薬剤比較アプリ「イシヤク」提供データをもとに作成

 

3位はアストラゼネカのSGLT2阻害薬「フォシーガ錠」(ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物)。前回の2021年9~12月はトップでしたが、順位を2つ下げました。昨年12月に後発医薬品が発売されたユーシービージャパンの抗てんかん薬「イーケプラ錠/点滴静注/ドライシロップ」(レベチラセタム)も前回の5位から19位にランクダウンしました。

 

【薬効別】第二世代抗ヒスタミン薬が最多

薬効別で見ると、22年1~3月にかけて最も検索されたのは、アレルギー性鼻炎治療薬の第二世代抗ヒスタミン薬。花粉の飛散が本格化した2月下旬以降、大幅に検索数が伸びました。

 

製品別では、大鵬薬品工業の「ビラノア錠/OD錠」(ビラスチン)が薬効内トップ(全体では5位)。このほか、▽サノフィの「アレグラ錠/OD錠/ドライシロップ」(フェキソフェナジン塩酸塩)▽オルガノンの「デザレックス錠」(デスロラタジン)▽グラクソ・スミスクラインの「ザイザル錠/OD錠/シロップ」(レボセチリジン塩酸塩)――が多く検索されました。

 

【【2022年1~3月】医師が最も検索した薬剤(薬効別)】<順位/薬効分類>1/▲UP/第二世代抗ヒスタミン薬|2/→STAY/Ca拮抗薬(ジヒドロピリジン系)|3/▲UP/プロトンポンプ阻害薬(PPI)|4/▲UP/アンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)|5/▲UP/オレキシン受容体拮抗薬|6/▼DOWN/DPP-4阻害薬|7/▼DOWN/SGLT2阻害薬|8/▼DOWN/漢方製剤|9/▲UP/スタチン系|10/▼DOWN/非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)内服・坐剤|11/→STAY/直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)|12/▲UP/非ベンゾジアゼピン(BZD)系睡眠薬(超短時間型)|13/▼DOWN/非定型抗精神病薬(セロトニン・ドパミン拮抗薬=SDA)|14/▲UP/防御因子増強薬|15/▼DOWN/β遮断薬(β1選択性)|16/▲UP/去痰薬|17/▲UP/非定型抗精神病薬(多元受容体作用抗精神病薬=MARTA)|18/▲UP/ループ利尿薬|19/▼DOWN/β-ラクタマーゼ阻害薬配合剤|20/▲UP/神経障害性疼痛治療薬|※医師向け薬剤比較アプリ「イシヤク」提供データをもとに作成

 

薬効別の2位は、前回に引き続き高血圧症・狭心症治療薬のカルシウム拮抗薬(ジヒドロピリジン系)。プロトンポンプ阻害薬(PPI)やアンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)がこれに続きました。

 

【データ提供】医師向け薬剤比較アプリ「イシヤク」(flixy)
「医師にとって最も使いやすい!」を目指して現役医師が開発した医師向け薬剤比較アプリ(医師以外も登録可能)。医師の処方の観点から、ほかの薬剤との比較を主眼に2万以上の薬剤の特徴を簡潔にまとめている。薬効検索や腎機能表示、疑義照会、レセプト返戻にも対応し、忙しい外来でも処方に必要な情報を確認できるのが特徴。全ての薬剤に専門医のコメントが掲載されており、処方した医師の実感などを確認できる。iOS・Androidアプリ。

 

AnswersNews編集部が製薬企業をレポート

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