塩野義 抗菌薬セフィデロコルを国内申請
塩野義製薬は3月24日、自社創製のシデロフォアセファロスポリン抗菌薬セフィデロコル(一般名)を国内で申請したと発表した。カルバペネム系抗菌薬に対する耐性獲得には主に3つの機序が関連するが、同薬はそれらの影響を受けずに抗菌力を発揮する。これまでに行った▽複雑性尿路感染症を対象とする臨床第2相(P2)試験▽カルバペネム耐性グラム陰性菌感染症を対象とするP3試験▽院内肺炎患者を対象とするP3試験――の3つの国際共同試験の結果をもとに申請した。米国では2019年、欧州では20年に承認されている。
メディパルとHUHDが合弁会社、物流機能を移管
メディパルホールディングス(HD)とH.U.グループHD(HUHD)は3月24日、医療・ヘルスケア領域で物流合弁会社「メディスケット」(埼玉県三郷市)を来月1日付で設立すると発表した。新会社は10月の稼働開始を予定しており、メディパルの医療用医薬品等卸売事業の物流機能と、HUHDの臨床検査事業の物流機能を移管する。出資比率は、メディパル60%、HUHD40%。社長にはメディセオの若菜純ロジスティクス本部長が就く。両社は20年6月に戦略的業務提携を結び、メディカル物流プラットフォームの構築に向けて協業を進めてきた。
「リバロOD」めぐる損害賠償請求、興和の訴え棄却
高脂血症治療薬「リバロOD錠」の特許を侵害したとして、製造販売元の興和が同薬の後発医薬品を製造販売する東和薬品に損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁は3月24日、興和の訴えを退ける判決を出した。同日、東和が発表した。興和は、製剤特許を侵害されたとして18年から21年にかけて東和薬品を相手に4つの訴訟を起こし、総額188億117万400円の損害賠償を求めていた。東京地裁は判決で「特許権は無効とされるべき」と判断した。
湘南アイパーク、中国のサイエンスパークと戦略提携
湘南ヘルスイノベーションパーク(湘南アイパーク)は3月24日、中国のサイエンスパーク「蘇州工業園区(SIP)」(中国江蘇省)と提携すると発表した。日中間のM&Aなどを手掛ける投資会社AIS CAPITAL(東京都千代田区)を含む3者で覚書を結んだ。提携を通じて、企業間の交流・連携や相互の企業進出支援、資金調達支援などを行う。湘南アイパークが海外のエコシステムと提携するのは今回で5件目。
ヘリオス、セルファイバの細胞培養技術を導入
ヘリオスは3月24日、セルファイバ(東京都文京区)と、同社の細胞ファイバ形成装置を使った細胞製造に関するライセンス契約を結んだと発表した。細胞ファイバ技術は、髪の毛ほどの中空ハイドロゲルチューブ内に細胞を封入して培養する技術。ヘリオスはiPS細胞の効率的な培養方法と大量製造法の開発を目指しており、セルファイバの技術を活用して開発を加速させる。ヘリオスは一時金5000万円のほか、将来的にマイルストンやロイヤリティを支払う。
協和キリン「ヒスロン錠5」不妊治療に関する2つの適応を追加
協和キリンは3月23日、経口黄体ホルモン製剤「ヒスロン錠5」(一般名・メドロキシプロゲステロン酢酸エステル)について、「調節卵巣刺激下における早発排卵の防止」「生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整」の2つの適応拡大が承認されたと発表した。協和キリンが昨秋に公知申請を行っていた。
久光 米国で貼付型ADHD治療薬「XELSTRYM」が承認
久光製薬の米子会社ノーベン・ファーマシューティカルは3月23日、同国でADHD(注意欠陥多動性障害)治療薬「XELSTRYM」(デキストロアンフェタミン)の承認を取得したと発表した。1日1回投与の経皮吸収型製剤で、対象は6歳以上の小児と成人。ノーベンは、早ければ今年後半には米国での販売開始に向けた最終準備を行うことができるとしている。