ファイザー 新型コロナの経口抗ウイルス薬「パキロビッド」が特例承認
ファイザーは2月10日、新型コロナウイルス感染症に対する経口抗ウイルス薬「パキロビッドパック」(一般名・ニルマトレルビル/リトナビル)の特例承認を取得したと発表した。新型コロナに対する経口抗ウイルス薬は、MSDの「ラゲブリオ」に続いて2剤目。日本では200万人分を供給することで厚生労働省と合意を結んでいる。ニルマトレルビルはファイザーが創製した3CLプロテアーゼ阻害薬。同薬の代謝を阻害して血中濃度を高める低用量リトナビルと併用する。
MSD「ラゲブリオ」の供給前倒し、3月までに80万人分
MSDは2月14日、新型コロナウイルス感染症向けの経口抗ウイルス薬「ラゲブリオカプセル」について、日本政府への納入を前倒しし、3月までに累計80万人分を供給すると発表した。国内感染者数の急増に対応するため。日本政府は160万人分を確保しており、MSDは1月までに25万人分を供給。2月に22万人分、3月に33万人分の供給を予定している。
厚労省「コミナティ」1000万回分追加調達
厚生労働省は2月14日、ファイザーの新型コロナウイルスワクチン「コミナティ」について、今年3月末までに1000万回分を追加購入することで同社と合意したと発表した。すでに契約している分と合わせ、年内に購入するワクチンは1億3000万回分となる。
Meiji・ラクオリア 統合失調症治療薬ジプラシドンの開発中止、ライセンス契約終了
MeijiSeikaファルマは2月14日、ラクオリア創薬から国内での開発・販売権を取得した統合失調症治療薬「ME2112」(ジプラシドン塩酸塩)について、開発を中止し、2011年に同社と結んだライセンス契約を終了したと発表した。19年に終了した急性増悪期の患者を対象とした臨床第3相(P3)試験で主要評価項目を達成できず、Meijiは開発計画を検討していたが、戦略上の理由で中止することを決めた。ラクオリアは再取得した同薬の権利について、競合環境などの変化を踏まえ、導入元の米ヴィアトリスに返還する。
大鵬「ティーエスワン」乳がん術後補助化学療法への適応拡大申請
大鵬薬品工業は2月14日、抗がん剤「ティーエスワン」(テガフール/ギメラシル/オテラシルカリウム)について、乳がんの術後補助化学療法への適応拡大を申請したと発表した。申請の根拠となった医師主導治験(特定臨床研究)では、ティーエスワンと内分泌療法を併用した再発中間リスク以上のエストロゲン受容体陽性・HER2陰性の原発性乳がん患者で、浸潤性疾患のない生存期間の有意な延長が確認された。
米PhRMA会長に武田のラモナ・セケイラ氏
米国研究製薬工業協会(PhRMA)は2月9日、武田薬品工業のラモナ・セケイラU.S.ビジネスユニット プレジデント/グローバル ポートフォリオ コマーシャライゼーション プレジデントが会長に就任したと発表した。PhRMA会長に女性が就くのは初めて。セケイラ氏は、米イーライリリーを経て2015年に武田の米国子会社でプレジデントに就任した。
中外 中国子会社2社を統合
中外製薬は2月14日、中国の事業体制を再編すると発表した。4月1日付で中国子会社の日健中外科技(北京)有限公司を日健中外製薬有限公司に統合し、同国で早期開発から販売までの一貫したバリューチェーンを構築する。
エクサウィザーズ、NTTと「千年カルテ」を活用したサービス開発へ
エクサウィザーズは2月14日、NTTデータと共同で医療リアルワールドデータの活用サービスを開発すると発表した。NTTデータの医療情報プラットフォーム「千年カルテ」とエクサウィザーズのAI(人工知能)技術を活用し、年内をめどにサービス提供を開始する。千年カルテは、電子カルテ、レセプト情報、DPCデータなどを国レベルで統合したプラットフォームで、現在は年間100万人の医療情報を収集している。
決算
日本たばこ産業(JT、2021年12月期、2月14日発表)
医薬事業は売上収益804億円(前期比1.8%増)、調整後営業利益111億円(35.4%減)。子会社・鳥居薬品は10%を超える増収となったが、海外ロイヤリティ収入が減少し、全体としては1.8%の増収にとどまった。利益は研究開発費や鳥居薬品の販管費の増加によって落ち込んだ。22年12月期は、医薬事業で売上収益815億円(1.4%増)、調整後営業利益100億円(9.9%減)を見込む。