杏林、新型コロナ経口薬「ラゲブリオ」コ・プロへ…覚書を締結
キョーリン製薬ホールディングス(HD)は12月27日、子会社の杏林製薬とMSDが、新型コロナウイルス感染症向け経口抗ウイルス薬「ラゲブリオカプセル」(一般名・モルヌピラビル)のコ・プロモーション提携に向けた覚書を結んだと発表した。同薬は今月24日、重症化リスクのある軽症から中等症の患者に対する国内初の経口薬として特例承認を取得。今後、両社で提携に向けた交渉を進める。
塩野義 サスメドの不眠症治療用アプリを独占販売
塩野義製薬は12月27日、サスメドが開発する不眠症治療用アプリの独占販売権を取得する販売提携契約を同社と結んだと発表した。臨床第3相(P3)試験では、対照群(シャム群)と比較して主要評価項目のアテネ不眠尺度(不眠重症度)の有意な改善を達成しており、サスメドが薬事申請に向けた準備を進めている。塩野義は、一時金と開発の進展に応じたマイルストンとして最大計47億円を支払うほか、売上高に応じたロイヤリティを支払う予定。両社は、同アプリ以外の治療用アプリの共同開発にも取り組む。
CureApp 慢性心不全治療アプリの開発を開始
CureAppは12月27日、心不全の在宅診療を展開するゆみのハートクリニックの運営元・ゆみの(東京都豊島区)と連携し、慢性心不全治療アプリの開発を始めたと発表した。アプリは患者用、医師用、支援者(家族など)用からなり、運動療法や服薬管理、疾患教育といった包括的リハビリテーションをオンラインで患者に提供。在宅でのリハビリを実現し、再入院の予防やQOLの向上、予後の改善を目指す。
塩野義の新型コロナワクチン、ベトナムでプラセボ対照のP3試験開始
塩野義製薬は12月27日、開発中の新型コロナウイルスワクチン「S-268019」について、グローバルP3試験をベトナムで開始したと発表した。プラセボを対照として、2回接種後の発症予防効果と安全性を検証する。試験はベトナム政府が支援。これとは別に、既承認ワクチンと中和抗体価を比較するP3試験を来年1月に開始するとしている。
中外、国がんなどのアジア多施設共同研究に「FoundationOne Liquid CDx」を提供
中外製薬は12月27日、国立がん研究センターと共同研究契約を結び、同センター中央病院などが進めるアジア多施設共同前向き研究「A-TRAIN(エー・トレイン)」に参画したと発表した。同研究は、子宮頸がんや卵巣がんなどアジアで発生頻度の高い6種の難治がんを対象に、リキッドバイオプシー検査による遺伝子解析と臨床情報を組み合わせたデータベースを構築・解析する国際共同研究。中外は卵巣がんコホートで、遺伝子解析検査として血液検体によるがん遺伝子パネル検査「FoundationOne Liquid CDx」を提供する 。国がんは、卵巣明細胞がんと子宮体がんの研究ではサーモフィッシャーと、上咽頭がんでは米イルミナと、子宮頸がんでは米ガーダントと提携している。
VLPセラピューティクス 第三者割当増資で24億円調達、ノーベルファーマなど出資
米VLPセラピューティクスは12月27日、双日やノーベルファーマなどを引受先とする第三者割当増資で2100万ドル(約24億円)を調達したと発表した。VLPセラピューティクスはがんワクチンやマラリア、デング熱などの感染症予防ワクチンを手掛けており、調達した資金でこれらのワクチン開発を加速させる。
楽天メディカルジャパン、社名を「楽天メディカル」に変更…1月1日付
楽天メディカルジャパンは12月27日、来年1月1日から社名を「楽天メディカル」に変更すると発表した。社名から「ジャパン」を外し、同社独自のイルミノックス治療(光免疫療法)のアジア展開を加速させる。同社は今年1月、光免疫療法の頭頸部がん治療薬「アキャルックス点滴静注」(セツキシマブ サロタロカンナトリウム)を国内で発売。現在、約40施設で同薬による治療が提供されている。
日新製薬に75日間の業務停止命令
滋賀県は12月24日、承認書と異なる成分分量で製造・販売を行ったなどとして、日新製薬(同県甲賀市)に医薬品医療機器等法に基づく業務停止命令を出したと発表した。停止期間は、第二種医薬品製造販売業務が75日間(12月24日~来年3月8日)、医薬品製造業務が70日間(12月24日~来年3月3日)。違反が認められたのは滋養強壮剤やかぜ薬などの一般用医薬品5品目。同社は昨年10月から製造した全医薬品の自主回収を行っており、これまでに健康被害の報告はないという。