武田 ガンマ・デルタT細胞療法の英社を買収へ
武田薬品工業は10月28日、がん免疫療法を手掛ける英ガンマデルタ・セラピューティクスを買収すると発表した。両社は2017年にがんに対するガンマ・デルタT細胞技術の開発で提携しており、成果が得られたとして武田が買収のオプション権を行使した。買収は2022年4~6月に完了する予定。買収で武田は、開発初期段階の細胞療法プログラムを含む、ガンマデルタ社の同種可変デルタ1 (Vδ1)ガンマ・デルタ(γδ)T細胞療法プラットフォームを取得。同社の技術は固形がんと血液がんの両方を標的にできるのが特徴で、買収を通じて開発を加速する。
「オノアクト」小児の心機能低下例における頻脈性不整脈の適応拡大申請
小野薬品工業は10月28日、短時間作用型β1選択的遮断薬「オノアクト点滴静注」(一般名・ランジオロール塩酸塩)について、「小児の心機能低下例における頻脈性不整脈(上室頻拍、心房細動、心房粗動)」への適応拡大を申請したと発表した。申請は小児患者を対象とした臨床第2/3相(P2/3)試験の結果に基づく。成人患者に対してはすでに承認されている。
DCT促進へ…サイエンス37がシミックHD、3Hメディソリューションと提携
DCT(分散型臨床試験)大手の米サイエンス37は10月28日、シミックホールディングス(HD)、3Hメディソリューションとそれぞれ提携を結んだと発表した。シミックとは日本とアジア太平洋地域(APAC)で、3Hとは日本で、DCTの促進に向けて協力する。両社は、サイエンス37が持つ臨床試験のオペレーションシステムやテクノロジープラットフォームを利用。サイエンス37からは、研修や実務的サポートも提供されるという。
沢井製薬、新物流センターを来月22日に稼働
沢井製薬は10月28日、埼玉県加須市に「東日本第2物流センター」を開設し、11月22日に稼働すると発表した。他社の供給停止などによる需要の増加で同社の出荷量は急増しており、ロジスティクスを増強して供給能力を向上させる。同センターを加えることで、同社の物流センターは5カ所となる。
DNAチップ研、肺がん用遺伝子パネル検査を国内申請
DNAチップ研究所(東京都港区)は10月28日、肺がんに対する遺伝子パネル検査「肺がんコンパクトパネル」を医療機器として国内で申請したと発表した。承認されれば、肺がんに見られるEGFR遺伝子変異、ALK融合遺伝子、ROS1融合遺伝子、MET遺伝子エクソン14スキッピング変異に対するコンパニオン診断薬として使用可能となり、今後、BRAF遺伝子変異やRET融合遺伝子の追加申請を行う方針。それ以外の新たな耐性変異や薬剤にも柔軟に対応できるという。
決算
武田薬品工業(2021年4~9月期、10月28日発表)
売上収益1兆7944億2300万円(前年同期比12.8%増)、営業利益3459億7900万円(60.5%増)。潰瘍性大腸炎・クローン病治療薬「エンティビオ」や免疫グロブリンなど、グローバル14製品が実質11.4%増の6922億円となったほか、帝人ファーマへの糖尿病治療薬4製品の譲渡益を売上収益に計上したことで増収増益となった。下半期は14製品と新型コロナウイルスワクチンが売り上げを牽引するとし、22年3月期の業績予想(売上収益3兆3700億円、営業利益4880億円)は据え置いた。
JCRファーマ(2021年4~9月期、10月28日発表)
売上高283億8300万円(前年同期比159.2%増)、営業利益136億4000万円(943.3%増)。アストラゼネカの新型コロナワウイルスワクチンの原液で80億円を売り上げたことに加え、契約金収入が前年から増加したことで大幅な増収増益となった。22年3月期の通期業績予想(売上高520億円、営業利益217億円)に変更はない。