卸談合、3社と担当社員に有罪判決
地域医療機能推進機構発注の医薬品入札をめぐる談合事件で、東京地裁は6月30日、独占禁止法違反の罪に問われた医薬品卸3社とその社員7人に有罪判決を言い渡した。3社はアルフレッサ、スズケン、東邦薬品。法人としての3社を2億5000万円の罰金刑に、3社の担当者計7人を懲役1年6月~2年・執行猶予3年とした。判決を受け各社は「コンプライアンス体制の強化と再発防止の徹底に取り組み、早期の信頼回復に最善を尽くす」(アルフレッサの親会社・アルフレッサホールディングス)などとコメント。スズケンは、昨年12月から行っている役員報酬の減額について、減額率を拡大して来年6月まで継続すると発表した。
大正製薬、自社創製の抗うつ薬を米社に導出
大正製薬は6月30日、自社創製の選択的バソプレシンV1b受容体拮抗薬「TS-121」について、全世界での独占的開発・製造・販売権を米Ancora Bioに導出する契約を結んだと発表した。バソプレシンは、うつ病患者に見られるストレス反応の異常などに関与しているとされ、同薬はうつ病に効果を示す可能性がある。契約に基づき、大正はAncoraから一時金と開発・販売に応じたマイルストンやロイヤリティを受け取る。Ancoraは、米Aditum Bioが同薬の開発を行う目的で設立した新会社。
ソレイジア、リンパ腫治療薬ダリナパルシンを申請
ソレイジア・ファーマは6月30日、再発・難治性の末梢性T細胞リンパ腫治療薬ダリナパルシンを申請したと発表した。同薬は、抗腫瘍活性を持つ有機ヒ素化合物。ミトコンドリアを標的とした薬剤で、細胞周期を停止し、アポトーシスを誘導することで抗腫瘍効果を示すと考えられている。
アッヴィ「リンヴォック」の適応拡大申請、強直性脊椎炎で
アッヴィは6月30日、JAK阻害薬「リンヴォック」(一般名・ウパダシチニブ水和物)について、「既存治療で効果不十分な強直性脊椎炎」の適応拡大を申請したと発表した。同薬は、昨年1月に関節リウマチ、今年5月に関節症性乾癬(乾癬性関節炎)で承認を取得。強直性脊椎炎への適応拡大の申請は、生物学的DMARDsによる治療歴がなく、2種類以上の非ステロイド性抗炎症薬で効果不十分または不耐容/禁忌の成人患者を対象とした臨床第2/3相(P2/3)試験の結果に基づく。
ディオバン事件、ノバルティスと元社員の無罪確定
ノバルティスファーマの高血圧症治療薬「ディオバン」(バルサルタン)の臨床研究データ改ざん事件で、旧薬事法違反(虚偽・誇大広告)に問われた同社と元社員の上告審で、最高裁は検察側の上告を棄却する決定を出した。決定は6月28日付。同社と元社員をともに無罪とした1、2審の判決が確定した。ノバルティスは「この問題の本質は、法的な側面にとどまらず、医師主導臨床研究において弊社が適切な対応を取らなかったことにあると考えており、社会的な責任を感じている。日本の医学・医療の信頼を大きく失わせてしまったことに対して深く反省し、あらめてお詫びする」とのコメントを発表した。
アストラゼネカ、医療従事者とのコミュニケーションに「LINE WORKS」導入
アストラゼネカは6月30日、MRやMSLと医療従事者のコミュニケーションツールとして、LINE WORKSを導入すると発表した。7月から、循環器・腎・代謝/消化器事業本部の一部MRでパイロット運用を始め、年内に全事業部のMRとMSLが使えるようにする。同社は今後、取引先とのコミュニケーション手段としてもLINE WORKSを使えるようにする予定という。
ラクオリア 中計を修正、最終年度の数値目標を引き上げ
ラクオリア創薬は6月30日、今年2月に公表した21年12月期~23年12月期の中期経営計画を修正したと発表した。最終年度の目標は、事業収益30億900万円(従来目標は26億8300万円)、営業利益6億8100万円(同4億4000万円)に引き上げた。テゴプラザンの順調な販売とロイヤリティ収入の増加を見込むほか、提携先からのマイルストン収入なども増加すると予想している。
アストラゼネカ 喘息患者にLINEで情報提供
アストラゼネカは6月30日、喘息患者向け情報サイト「ぜん息外来.jp」のLINE公式アカウントを開設したと発表した。発作予防のためのアドバイスなどを情報提供するほか、症状を記録し、受診時に医師に提示できる機能や、受診スケジュールを管理できる機能を備える。
エーザイ「デエビゴ」を香港で発売
エーザイは6月30日、自社創製のオレキシン受容体拮抗薬「DAYVIGO」(レンボレキサント、国内製品名・デエビゴ)を香港で発売したと発表した。適応は「入眠困難、睡眠維持困難のいずれかまたはその両方を伴う成人の不眠症」。日本を除くアジア地域では初の発売となる。
日医工、富山第二工場を富士化学工業に譲渡
富士化学工業は6月29日、日医工から同社の富山第二工場(富山県滑川市)を譲り受けると発表した。譲受は10月1日付で、譲受額は非開示。富山第二工場の従業員は富士化学工業に出向する。同社は譲受により原薬合成から製剤化まで一貫した製造体制を強化するとしている。
富士フイルム、欧米のCDMO拠点に900億円の設備投資
富士フイルムは6月29日、CDMO子会社FUJIFILM Diosynth Biotechnologiesの欧米拠点に総額約900億円の設備投資を行うと発表した。米国拠点では、シングルユース仕様の2000リットル細胞培養タンクなどを新たに導入し、遺伝子組換えタンパクワクチンの原薬製造能力を現在の約2倍に拡大。英国拠点では、遺伝子治療薬のプロセス開発と原薬製造が可能な新棟を建設し、同拠点の原薬生産能力を10倍以上に引き上げる。新設備の稼働は2023年後半を予定している。