アクテムラ、海外臨床試験で重症COVID-19肺炎への有効性示せず
中外製薬は7月29日、抗IL-6受容体抗体「アクテムラ」(一般名・トシリズマブ)について、スイス・ロシュが重症新型コロナウイルス肺炎を対象に欧米で行った臨床第3相(P3)試験で有効性を示せなかったと発表した。主要評価項目の「投与4週目時点の臨床状態の改善」ではプラセボとの間に有意差はなく、副次的評価項目の1つである「投与4週目時点の死亡率」でも差はみられなかった。
ロシュは新型コロナウイルス感染症を対象としたアクテムラの開発プログラムを継続し、抗ウイルス薬との併用などの可能性を探る。国内では中外がP3試験を行っている。
アストラゼネカ、マイシンと遠隔診療の検証プログラム
アストラゼネカは7月29日、慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者を対象とした遠隔診療・遠隔服薬指導の検証プログラムを始めると発表した。MICINのオンライン診療サービス「curon(クロン)」を活用し、治療継続に対する遠隔診療の有用性を評価。両社は、検証プログラムで得られた知見をもとに、アドヒアランスの向上などにつながる患者サポートを共同で構築する。
ヘリオス「HLCM051」COVID-19患者の組み入れ開始
ヘリオスは7月29日、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を対象に行っている体性幹細胞再生医薬品「HLCM051」の治験に、新型コロナウイルス肺炎由来のARDS患者の組み入れを開始したと発表した。実施中の治験に新たなコホートを追加し、新型コロナウイルス肺炎由来のARDS患者5人を組み入れ、安全性を検討する。
久光、中冨会長が辞任
久光製薬は7月29日、中冨博隆代表取締役会長が28日付で辞任したと発表した。「一身上の都合によるもの」としている。中冨氏は名誉会長に就いた。