米メルク、特許切れ先発品など分社化
米メルクは2月5日、婦人科領域、特許が切れた先発医薬品、バイオシミラーの3事業を切り離し、新会社を設立すると発表した。分社化は来年の上半期に完了する予定。新会社には避妊薬「Nexplanon」や高脂血症治療薬「ゼチーア」などを承継。承継される製品の売上高は65億ドル(約7150億円、2020年12月期見込み)に上る。メルクは分社化を通じて、がん領域やワクチンなど利益率の高い成長事業に注力する。
アイロム子会社、復旦大と新型コロナワクチンを共同開発
アイロムグループは2月6日、子会社のIDファーマが、新型コロナウイルスに対するワクチンを中国の復旦大付属上海公衆衛生臨床センターと共同開発すると発表した。両者はIDファーマの基盤技術である「センダイウイルスベクター」を使って結核ワクチンの共同開発を進めており、新型コロナウイルスに提携を拡大する。
あすか製薬 CACのライブラリー事業に参加
あすか製薬は2月6日、医薬品開発支援を手掛けるCACクロアの化合物共有ライブラリー事業に参加すると発表した。あすかは化合物ライブラリーの管理やハイスループットスクリーニングのためのプレート作製をCACクロアに委託。同事業は将来的に、製薬会社・バイオベンチャー・アカデミアでのライブラリー相互利用を目指しており、塩野義製薬や田辺三菱製薬、エーザイがすでに参加している。
長瀬産業、阪大とDDS製造技術の実用化で共同研究
長瀬産業は2月6日、大阪大とドラッグデリバリーシステム(DDS)製剤の新たな製造技術の開発・実用化に向けた共同研究を開始したと発表した。脂質粒子に医薬品の有効成分を内包する「リポソーム製剤」と「脂質ナノ粒子製剤」に関して、阪大医学部の松崎高志特任准教授が開発した技術の実用化を検討。製造工程の短縮と収量アップが期待できるという。
決算
鳥居薬品(2019年12月期、2月6日発表)
売上高429億9800万円(前期比31.3%減)、営業利益14億3000万円(71.1%減)。抗HIV薬6製品の販売権を返還したことで大幅な減収減益となった。HIV感染症領域以外では、そう痒症改善薬「レミッチ」が後発医薬品の影響で25%減の86億9300万円となった一方、アレルギン免疫療法薬「シダキュア」(36億5400万円、802%増)や同「ミティキュア」(27億4900万円、120%増)が拡大。20年12月期は売上高416億円(3.3%減)、営業利益30億円(109.7%増)を見込んでいる。
米メルク(2019年12月期、2月5日発表)
売上高468億4000万ドル(約5兆1524億円、実質ベースで前期比13%増)。最主力品の免疫チェックポイント阻害薬「キイトルーダ」が58%増の110億8400万ドルを売り上げたほか、水痘ワクチン「Varivax」などのワクチン事業が84億ドル(17%増)と好調だった。20年12月期は488~503億ドルと増収を予想している。
英グラクソ・スミスクライン(2019年12月期、2月5日発表)
売上高337億5400万ポンド(約4兆8268億円、実質ベースで前期比8%増)、営業利益69億6100万ポンド(23%増)。帯状疱疹ワクチン「シングリックス」などのワクチン事業(71億5700万ポンド、19%増)や、抗HIV薬「ジャルカ」「ドウベイト」などのHIV事業(48 億5400万ポンド、1%増)が業績を牽引した。20年12月期はESP(1株あたり純利益)で1~4%の減少を見込む。
デンマーク・ノボノルディスク(2019年12月期、2月5日発表)
売上高1220億2100万デンマーククローネ(約1兆9523億円、実質ベースで前期比6%増)、営業利益524億8300万デンマーククローネ(6%増)。2型糖尿病治療薬「オゼンピック」(112億3700万デンマーククローネ)やインスリン製剤(596億9300万デンマーククローネ、3%増)などが貢献した。20年12月期は1257~1293億デンマーククローネと増収の見通し。