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ニュース解説

【匿名座談会】販売情報提供活動ガイドラインでMR活動はどう変わったのか(後編)

今年4月に運用が始まった厚生労働省の「医療用医薬品の販売情報提供活動ガイドライン」。ガイドラインによってMRの活動はどう変わったのでしょうか。4人の現役MRに集まってもらい、匿名で本音を語ってもらいました。(前編はこちら

 

(司会・前田雄樹/構成・亀田真由)

 

【参加者プロフィール】
Aさん:MR歴8年の30代男性。大手内資系メーカー勤務。
Bさん:MR歴5年の20代女性。大手外資系メーカー勤務。
Cさん:MR歴3年の20代男性。中堅内資系メーカー勤務。
Dさん:MR歴3年の20代男性。内資系後発品メーカー勤務。

 

売り上げ評価 比重下がった

――ガイドラインのQ&Aには「売り上げ至上主義によらない人事評価制度や報酬体系」ということも書かれています。社内の評価体系は変わりましたか?

Bさん:数字以外の部分に評価の比重が置かれるようになってきました。

 

Aさん:売り上げの上位と下位で評価の差がつきにくくなったところはありますね。まだ始まったばかりなので、評価者によってばらつきもあります。

 

Cさん:ウチの会社では、ガイドラインに違反すると減点評価となる仕組みが設けられました。外部から指摘があったり、改善を要求されたりすると、大きく評価が下がるようです。

 

Aさん:ガイドラインの順守がどれだけ評価に反映されるかはメーカーによって違うと思いますが、評価の項目に入っている会社は多いと思います。ウチもスライドの改変などがバレると一気に評価が下がります。

 

――数字のウエイトが減るとモチベーションは下がりませんか?

Bさん:やはり営業ですし、今まで数字を目標に頑張ってきたところもありますので、モチベーションは下がります。活動内容を評価してくれるのはいいんですが、「今まで頑張ってきたのは何だったんだ」と思うこともあります。

 

Cさん:私はもともと数字をガツガツ追うタイプではなかったので、モチベーションが下がるということはないです。ルールを違反して維持する数字に価値はないと思いますし。

 

Aさん:数字のところでモチベーションが下がることはないですね。数字といっても計画に対する進捗なので、達成したところで果たしてその計画は正しかったのかと思うこともありますし、外的な要因も影響しますから。重要なのは「担当顧客にどう評価されているか」だと思うので、ガイドラインによって数字以外の部分がフィーチャーされるのは、ポジティブな部分もあると思っています。ただ、売れないと会社は発展しない(笑)。

 

――そうですよね。会社側の数字に対する姿勢に変化はありましたか?最近では「患者中心」という言葉が製薬企業からもよく聞かれるようになりましたが。

Dさん:確かに、「患者貢献」という言葉が使われる機会は増えていますね。

 

Aさん:「自社品だけ売れればいい」という時代は終わった。医師も患者を見るMRを求めるようになったので、そういう言葉が出てくるのは当然だと思います。ただ、上っ面だけのような気がしますよね、やっぱり。売れなかったら「患者さんに貢献できてないよね」「届けるためにはどうする?」となる。これ、売れってことじゃん、って。

 

Bさん:患者のためになるのは自分たちの薬だと思ってますからね。

 

Cさん:確かに。抗菌薬の適正使用が重要だと言われているのに、「それでも必要なときは必要だからさ」という言い方をしてくる。

 

MRへの興味 失いつつある

――ガイドランによって活動が狭まり「MRとしての介在価値を感じられなくなった」という人もいるようですが、皆さんはどうですか?

Aさん:先ほど、数字の部分でモチベーションが下がることはないと言いましたが、どちらかというと、やれることが狭まって先生方に満足してもらいにくくなったことや、自分以外の人でもできることにモチベーションが下がっています。そういう意味で、MRという職種に価値を感じられなくなり、興味を失いつつあります。

 

Bさん:これが本来必要なMRなんだと思う反面、自分で1から10までできなくなったのは歯がゆいです。最後まで対応できないもどかしさはありますね。

 

Cさん:入社前は「自ら勉強し、それをもとに医師に提案をする」ことがMRの仕事だと思っていたんですが、実際は制限が多くて…。勉強しても、会社の資材にないと提供できないので、つまらないと感じることもあります。同期を見ても、イメージと現実のギャップを感じている人が多いので、こういう感覚を抱いているのは少数派ではないのではないかと思いますね。転職していく人も増えていますし。

 

Dさん:すでに面白みを感じていないので、規制が厳しくなると「何をしてるんだろう」と思ってしまいます。

 

――「MR辞めようかな」と思うことは?

Aさん:MRが好きとか嫌いということはないんですが、ビジネスマンとして自分を形成していくために、たくさんのことに挑戦したいと思っていて。どちらかというと転職より副業に興味を持っています。24時間MRに捧げるのはやめたほうがいい(笑)。転職するにしても「MRからMR」は考えてない人が多いですよね。

 

Bさん:転勤も多いですからね。ただ、給料や福利厚生を考えると、一歩踏み出しづらいと思っています。

 

Cさん:私は来年、転職しようと思っています。

 

Aさん:どこに転職するんですか?

 

Cさん:異業界です。

 

Aさん:やっぱり(笑)。私も転職するなら医療業界はもういいです。医療機器メーカーの営業は生き生きしているなと思いますが、いずれ医薬品と同じように医療費の面でメスが入るでしょうから。それなら医療以外の業界に行ったほうがいいかなと思っています。

 

Cさん:ウチの会社は今、若手がどんどん辞めていっています。先ほども話したように、実際に現場に出たところで「違う」と思う人が多いようです。ガンドラインも含め色々と変化している時期なので、上司の指導も追いついておらず、社内はぐちゃぐちゃです。

 

Dさん:ウチも若手が辞めていて、私の同期も4割辞めました。理由の多くは「つまらない」「何もできない」。規制と得意先からの要求の間で板挟みになり、苦しんでいる人もいました。辞めた同期は、ほとんどが異業界に行っています。

 

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