製薬業界 きょうのニュースまとめ読み（2019年4月25日）

武田、シャイアー買収で売上高2兆円突破へ―19年3月期、業績予想を修正

武田薬品工業は4月25日、2019年3月期の連結業績予想を修正したと発表した。1月8日に完了したシャイアー買収の影響を反映したもので、売上高は2兆970億円（従来予想比3470億円増）、営業利益は2050億円（639億円減）、税引前利益は950億円（1502億円減）を見込む。

シャイアーの業績が加わることで売上高は約3090億円、税引前利益は約490億円のプラスとなる一方、買収関連費用の計上で利益は従来予想を大きく下回る。

アステラス、早期退職に700人応募

アステラス製薬は4月25日、国内の事業再編に伴い600人規模を想定して行った早期退職優遇制度に約700人が応募したことを明らかにした。アステラス営業サポートなど子会社3社の業務終了・事業終了に伴うもので、アステラス本体とこれら子会社3社の従業員を対象に募集を行っていた。

武田、カボザンチニブを日本で申請

武田薬品工業は4月25日、開発中のAXL/MET/VEGFRキナーゼ阻害薬カボザンチニブについて、「切除不能または転移性の腎細胞がん」の適応で日本で申請したと発表した。17年に米Exelixisから導入したもので、米国では腎細胞がんと肝細胞がんの適応で承認済み。日本では現在、未治療の腎細胞がんを対象に免疫チェックポイント阻害薬「オプジーボ」との併用で臨床第3相（P3）試験を行っているほか、肝細胞がんでもP2試験を行っている。

富士フイルム富山化学、抗菌薬ソリスロマイシンを国内申請

富士フイルム富山化学は4月25日、新規抗菌薬ソリスロマイシン（開発コード・T-4288）を日本で申請したと発表した。適応は、中耳炎や副鼻腔炎などの耳鼻咽喉科感染症。同薬は米国企業から導入したフルオロケトライド系抗菌薬で、既存のペニシリン系やマクロライド系の抗菌薬に耐性のある肺炎球菌などに対して強い抗菌活性を示す。呼吸器感染症でも開発を進めている。

第一三共　日本橋ビルを売却、売却益106億円を4～6月期決算に計上

第一三共は4月25日、東京・日本橋に保有する日本橋ビルを売却したと発表した。ノンコア資産をキャッシュ化する取り組みの一環。売却先と売却額は非開示で、19年4～6月期決算に売却益約106億円を計上する。売却後も第一三共は同ビルを借り、事業活動を継続する。

サンバイオ 「SB623」欧州で先端医療医薬品に指定

サンバイオは4月25日、開発中の再生細胞薬「SB623」が欧州医薬品庁から先端医療医薬品の指定を受けたと発表した。同社はSB623について、慢性期外傷性脳損傷を対象としたグローバルP3試験を2020年1月期末までに始めることを目指している。

アステラス、岡村副社長が代表取締役に就任へ

アステラス製薬は4月25日、岡村直樹・副社長執行役員が代表取締役副社長に就任する人事を発表した。6月18日の株主総会とその後の取締役会を経て同日付で就任する予定。

決算

アステラス製薬（2019年3月期、4月25日発表）

売上高1兆3063億4800万円（前期比0.5%増）、営業利益2439億1200万円（14.4%増）。前立腺がん治療薬「イクスタンジ」（3331億円、13.2%増）が好調。国内医療用医薬品の売上高は3662億円で、長期収載品の減少により4.5%の減収。20年3月期は、過活動膀胱治療薬「ベシケア」などの独占期間満了の影響で、売上高1兆2240億円（6.3%減）、コア営業利益2400億円（13.8%減）を見込む。

第一三共（2019年3月期、4月25日発表）

売上高9297億円（前期比3.2%減）、営業利益837億円（9.7%増）。抗凝固剤エドキサバン（1177億円、52.7％増）が好調だったが、高血圧治療薬オルメサルタン（1059億円、29.2％減）などの落ち込みが響いた。国内医療用医薬品は5233億円（3.1％減）。19年度は売上高9400億円（1.1％増）、営業利益1000億円（19.5％増）を予想。

日本ベーリンガーインゲルハイム（2018年12月期、4月24日発表）

医療用医薬品の売上高は前期比18.4％減の1893億円（薬価ベース）。2型糖尿病治療薬「ジャディアンス」（171億円、55.2％）や特発性肺線維症治療薬「オフェブ」（221億円、37.0％増）などが伸びたが、高血圧症治療薬「ミカルディス」の特許切れで大幅な減収となった。