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【2021年3月版】製薬大手 抗がん剤パイプライン(4)アストラゼネカ、ブリストル・マイヤーズスクイブ、バイエル、ベーリンガーインゲルハイム

更新日

市場拡大が著しく、開発競争も熾烈ながん領域。製薬大手の後期開発パイプラインをまとめました(全5記事。この記事は半年をめどに更新していく予定です。全記事まとめはこちら)。

 

パイプラインは調査時点で各社がホームページで公表していた情報に基づく。いつ時点の情報かは会社によって異なるため、承認・申請など直近のイベントが反映されていない場合もある。

 

英アストラゼネカ

【英アストラゼネカ】がん領域の後期開発パイプライン1

【英アストラゼネカ】がん領域の後期開発パイプライン2

 

免疫チェックポイント阻害薬の抗PD-L1抗体デュルバルマブ(製品名・イミフィンジ)は、単剤療法に加え、抗CTLA-4抗体tremelimumabやPARP阻害薬オラパリブ(リムパーザ)、抗CD73抗体oleclumab(開発コード・MEDI9477)などとの併用療法を開発中です。tremelimumabとの併用は、今年後半に肝細胞がんと非小細胞肺がんでの申請を目指しています。

 

新規候補化合物では、AKT阻害薬capivasertib(AZD5363)が、乳がんと前立腺がんを対象に臨床第3相(P3)試験を実施中。仏インネート・ファーマから導入したmonalizumabは、頭頸部がんでP3試験に入りました。選択的エストロゲン受容体分解薬camizestrant(AZD9833)は、乳がんを対象とするP3試験を計画中です。

 

17年にマントル細胞リンパ腫の適応で米FDA(食品医薬品局)から承認を取得し、血液がんに参入する契機となったBTK阻害薬アカラブルチニブ(カルケンス)は、日本と欧州でも慢性リンパ性白血病の適応で承認を取得。21年中に高リスク患者への適応拡大を申請する予定です。

 

米ブリストル・マイヤーズスクイブ

【米BMS】がん領域の後期開発パイプライン1

【米BMS】がん領域の後期開発パイプライン2

 

19年11月に約8兆円で米セルジーンを買収し、CAR-T細胞療法のidecabtagene vicleucel(bb2121)や同リソカブタゲン マラルユーセル(ブレヤンジ)、経口アザシチジン「Onureg」(製品名)といった血液がん治療薬を獲得しました。

 

2つのCAR-T細胞療法は、米ブルーバードとの共同開発品。CD19を標的とするリソカブタゲン マラルユーセルは、21年2月に米国で、同3月に日本で承認されました。BCMAを標的とするidecabtagene vicleucelも、再発・難治性の多発性骨髄腫を対象に米国と欧州で申請中です。

 

小野薬品工業と開発中の抗PD-1抗体ニボルマブ(オプジーボ)は、胃がん、食道・胃接合部がんなどで申請中。今年に入ってから、進行腎細胞がんに対するキナーゼ阻害薬のカボザンチニブ(カボメティクス)との併用療法が米国で承認されました。肝細胞がんや膀胱がんなどの適応でP3試験を、高TMBがんなどでP2試験を進めています。抗CTLA-4抗体イピリムマブ(ヤーボイ)をはじめ、抗LAG-3抗体relatlimab(BMS-986016)やIDO1阻害薬linrodostat(BMS-986205)、bempegaldesleukin(BMS-986321)もオプジーボとの併用療法でP3試験を進行中です。

 

独バイエル

【独バイエル】がん領域の後期開発パイプライン

 

TRK阻害薬ラロトレクチニブ(ヴァイトラックビ)は今年3月、米国や欧州に続き、日本でNTRK融合遺伝子陽性の固形がんを対象に承認されました。PI3K阻害薬copanlisib(Aliqopa)は、非ホジキンリンパ腫を対象にP3試験を実施中です。

 

19年には米ブリストル、小野と提携し、大腸がんに対するマルチキナーゼ阻害薬レゴラフェニブ(スチバーガ)とニボルマブの併用療法のP2試験を開始しました。対象は、転移性大腸がんで最も多く見られるマイクロサテライト不安定性のない患者。単剤では膠芽腫でP3試験を行っています。

 

新規候補化合物としては、尿路上皮がんの適応でpan-FGFR阻害薬rogaratinib(BAY 1163877)を開発中です。

 

独ベーリンガーインゲルハイム

【独BI】がん領域の後期開発パイプライン

 

肺がん治療薬アファチニブ(ジオトリフ)や同ニンテダニブ(Vargatef)を持つベーリンガーインゲルハイムは、がん免疫の研究開発に力を入れています。2017年以降、提携や買収でパイプラインを拡大してきました。

 

後期開発段階に入っているのは、独モルフォシスの技術を使って開発した抗IGF1/2抗体xentuzumab(BI 836845)で、転移性乳がんを対象にP2試験を実施中。このほか、抗LAG3抗体やSOS1:汎KRAS阻害薬なども初期の臨床開発段階にあります。

 

(亀田真由)

 

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小野薬品工業

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