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「オプジーボ」続く受難 用量変更でまたも大幅引き下げ…薬価 収載時から76%安く

小野薬品工業の免疫チェックポイント阻害薬「オプジーボ」の薬価が、またも大幅に引き下げられることになりました。薬価の引き下げは3度目で、収載からわずか4年で薬価は76%も下がることになります。

 

11月から37.5%引き下げ

厚生労働省は8月22日の中央社会保険医療協議会(中医協)で、小野薬品工業の免疫チェックポイント阻害薬「オプジーボ」の薬価を、今年11月1日から大幅に引き下げることを決めました。引き下げ幅は37.5%で、薬価は100mg1瓶で27万8029円から17万3768円まで下がります。

 

オプジーボが薬価の大幅な引き下げを受けるのは今回で3度目。今年4月の薬価改定では、用法用量変化再算定と費用対効果評価、外国平均価格調整が適用され、23.8%の引き下げが行われたばかり。昨年2月には、非小細胞肺がんへの適応拡大で販売が急増したことで医療保険財政への影響を懸念する声が高まり、特例拡大再算定による50%の薬価引き下げを受けました。

 

「オプジーボ」薬価の推移。2014年9月:薬価収載「72万9849円」。2017年2月:緊急薬価改定(特例拡大再算定)「36万4925円」<マイナス50.0パーセント>。2018年4月:薬価改定(用法用量変化再算定など)「27万8029円」<マイナス23.8パーセント>。2018年11月:「年4回」の再算定(用法用量変化再算定)「17万3768円」<マイナス37.5パーセント>。

 

高額薬剤の象徴としてやり玉に上げられてきたオプジーボの薬価は、今回の引き下げにより2014年9月の収載時と比べて76.2%も下がることになります。発売からわずか4年あまりで薬価が4分の1になってしまうことに、業界関係者からはため息が漏れます。

 

「新薬収載にあわせて再算定」を初めて適用

このタイミングでオプジーボの薬価が大幅に引き下げられる背景には、4月に行われた薬価制度の抜本改革があります。

 

薬価制度抜本改革では、年間販売額が350億円を超える医薬品について、適応拡大などで市場が拡大したり用法・用量が変わったりした場合、年4回ある新薬の薬価収載のタイミングにあわせて薬価を見直すルールが導入されました。肺がんへの適応拡大によって販売が急増したオプジーボのようなケースに対応するためで、2年に1回の薬価改定とは別に、柔軟に薬価を見直すための仕組みとして設けられました。

 

オプジーボは8月21日、それまで患者の体重1kgあたり3mgとしていた用法用量を、体重に関係なく1回240mgの固定用量に変更。これによって同薬は用法用量変化再算定の対象となり、年4回薬価を見直す新ルールに基づいて薬価が引き下げられることになりました。新ルールが適用されるのは今回が初めてです。

 

「オプジーボ」の概要。製品名:オプジーボ点滴静注20mg/100mg。一般名:ニボルマブ。作用機序:抗PD-1抗体。発売:2014年9月。適応:悪性黒色腫、切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん、根治切除不能または転移性の腎細胞がん、再発または難治性の古典的ホジキンリンパ腫、再発または遠隔移転を有する頭頚部がん、がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の胃がん、がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の悪性胸膜中皮腫。

 

売上高への影響は?

オプジーボは2014年に悪性黒色腫(メラノーマ)の適応で発売されて以降、非小細胞肺がん、腎細胞がん、ホジキンリンパ腫、頭頚部がん、胃がん、悪性胸膜中皮腫と適応を相次いで拡大。18年3月期の売上高は901億円と小野薬品工業の最主力品に成長し、同社の業績拡大を牽引してきました。

 

「オプジーボ」売上高の推移の棒グラフ。2014年度:25億円、2015年度:212億円、2016年度:1039億円、2017年度:901億円、2018年度(予想):900億円。

 

8月21日付で承認された1回240mgの固定用量は、体重1kgあたり3mgという従来の用量で換算すると体重80kgの患者に投与する量に相当。体重が80kgより軽い患者では投与量が増える一方、80kgより重い患者は投与量が減ることになります。

 

用量の変更と薬価の引き下げにより、体重60kgの患者と80kgの患者で1回あたりの薬剤料がどう変化するかを見たのが下の表です。

 

用量変更と薬価引き下げによる1回あたりの薬剤料の変化。▼体重60キログラムの患者は投与量180ミリグラム(用量変更前)のため、【11月1日の薬価引き下げまで】50万6929円→67万508円で、1回あたり16万3579円増。【11月1日の薬価引き下げ後】50万6929円→41万9068円減。▼体重80キログラムの患者は、【11月1日の薬価引き下げまで】67万508円のまま変わらず。【11月1日の薬価引き下げ後】67万508円→41万9068円になるので、1回あたり25万1440円減。

 

体重60kgの患者の場合、用量の増加によって1回あたりの薬剤料は50万6929円から67万508円と16万円あまり増えますが、薬価が引き下げられる11月1日以降は従来の薬剤料と比べて9万円近く減少。体重80kgの患者では、薬価の引き下げで25万円ほど薬剤料は減ります。薬価の引き下げ幅ほどのインパクトはないにせよ、売り上げにも影響を及ぼしそうです。

 

小野薬品工業は薬価の引き下げを販売量の増加でカバーしたい考えとみられますが、適応拡大によって今後も薬価が大幅に引き下げられる可能性があります。新薬開発と薬価をめぐる攻防はこれからも続いていくことになりそうです。

 

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