中央社会保険医療協議会(中医協)は8月22日、武田薬品工業の潰瘍性大腸炎治療薬「エンタイビオ」やアストラゼネカの免疫チェックポイント阻害薬「イミフィンジ」など新薬9成分13品目の薬価を了承した。29日に薬価収載される予定。
エンタイビオ 売上高212億円を予測 イミフィンジは374億円
「エンタイビオ」(ベドリズマブ)は2018年3月期にグローバルで2014億円を売り上げた武田薬品工業の最主力品。α4β7インテグリンを標的とした抗体医薬で、薬価は「ヒュミラ」(アダリムマブ)を最類似薬とする類似薬効比較方式Iで算定された。抗TNFα抗体による治療歴のある患者にも有効性が認められていることが評価され、有用性加算II(加算率10%)がついた。薬価は300mg1瓶27万4490円(1日薬価4902円)。通常、1回300mgを8週間隔で投与する。ピーク時の売上高予測は薬価ベースで212億円。
アストラゼネカの抗PD-L1抗体「イミフィンジ」(デュルバルムマブ)は、国内6剤目となる免疫チェックポイント阻害薬。適応は「切除不能な局所進行の非小細胞肺がんにおける根治的化学放射線療法後の維持療法」で、免疫チェックポイント阻害薬としては初めてステージIIIの非小細胞肺がんに使用可能な薬剤となる。
薬価は「テセントリク」(アテゾリズマブ)を最類似薬とする類似薬効比較方式Iで算定。有用性加算II(加算率10%)がつき、120mg2.4mL1瓶11万2938円、500mg10mL1瓶45万8750円(1日薬価3万2768円)となった。ピーク時には374億円の売り上げを見込む。
ガザイバには有用性加算II(20%)
中外製薬の抗がん剤「ガザイバ」(オビヌツズマブ)はCD20を標的とした抗体医薬で、適応はCD20陽性の濾胞性リンパ腫。薬価は原価計算方式で算定。臨床試験で「リツキサン」(リツキシマブ)に比べて無増悪生存期間を有意に延長し、海外の診療ガイドラインで標準的治療法として推奨されていることが評価され、有用性加算II(加算率20%、加算係数0.2)がついた。外国平均価格調整による引き上げも行われ、薬価は1000mg40mL1瓶45万457円となった。ピーク時の売上高予測は205億円。
29日の薬価収載が了承されたのはこのほか、
▽月経困難症治療薬「ジェミーナ」(レボノルゲストレル/エチニルエストラジオール、ノーベルファーマ)
▽抗菌薬「ダフクリア」(フィダキソマイシン、アステラス製薬)
▽血友病B治療薬「レフィキシア」(ノナコグ ベータ ペゴル、ノボノルディスクファーマ)
▽抗HIV薬「オデフシィ」(リルピビリン/エムトリシタビン/テノホビル アラフェナミド、ヤンセファーマ)
など。
先天性トキソプラズマ症の発症抑制を適応とするサノフィの「スピラマイシン錠『サノフィ』」には、有用性加算II(加算率10%)と市場性加算I(加算率10%)がついた。
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