
田辺三菱製薬は7月24日、イスラエルの製薬企業ニューロダーム社を買収すると発表した。ニューロダームの全株式を取得し、完全子会社化する。買収額は約11億ドル(1241億円)。
ニューロダームはパーキンソン病治療薬の開発に強みを持つ。現在、欧米で臨床第3相(P3)試験中のパーキンソン病治療薬「ND0621」は、2019年度の発売を見込む。田辺三菱は同剤の獲得により、20年度までの中期経営計画で目標に掲げる米国売上高800億円の達成に弾みをつけたい考えだ。
田辺三菱によると、ニューロダームが開発中の「ND0621」は、従来経口薬しかなかったレボドパとカルビドパを世界で初めて液剤化した薬剤。携帯ポンプで24時間持続的に皮下注射することで、レボドパの血中濃度を一定に保ち、進行パーキンソン病で問題となる運動症状の改善が期待されているという。
ニューロダームのパイプラインには「ND0621」のほか、重症パーキンソン病を対象としたアポモルフィン持続皮下注投与ポンプ「ND0701」(P2)、中枢神経系疾患に伴う認知障害を対象としたニコチン・オピプラモール経皮剤「ND0801」(P2)がある。
田辺三菱は20年度までの中期経営計画で米国市場での成長基盤構築を戦略の一つに掲げている。今年5月には、米国自社販売の第一弾となるALS(筋萎縮性側索硬化症)治療薬「ラジカバ」の承認を米FDAから取得。8月の販売開始を予定している。
AnswersNews編集部が製薬企業をレポート
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