あすか製薬、緊急避妊薬「ノルレボ」スイッチOTC申請/東和薬品、中計の利益目標引き上げ など|製薬業界きょうのニュースまとめ読み(2025年5月15日)
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AnswersNews編集部

あすか製薬、緊急避妊薬「ノルレボ」スイッチOTCを申請
あすか製薬は5月15日、緊急避妊薬「ノルレボ」のスイッチOTCを申請したと発表した。申請は昨年6月。緊急避妊薬のスイッチOTC化をめぐっては、2021年に厚生労働省の評価検討会議で検討が始まり、23年11月から適正販売の環境整備に向けた調査事業として薬局で試験販売が行われている。あすか製薬は「具体的な承認時期などは現時点では未定。今後の動向を注視する」としている。
東和薬品 26年度までの中計、利益目標引き上げ
東和薬品は5月15日、現在進行中の2026年度までの中期経営計画について、営業利益の目標を従来の3年間累計680億円以上から800億円以上に引き上げると発表した。山形工場の増産体制整備や研究開発費を含む販管費の改善を踏まえて計画を見直したところ、従来の目標を上回ると判断した。売上高は従来通り最終年度に3000億円を目指す。
アルフレッサHD、LTTバイオファーマと共同開発契約
アルフレッサホールディングス(HD)は5月15日、バイオベンチャーのLTTバイオファーマ(東京都港区)と共同開発契約を結んだと発表した。LTTは化学療法誘発性末梢神経障害に対する治療薬「PC-SOD」などの開発を行っており、同薬は前期臨床第2相試験の結果をもとに国内外でライセンス活動を展開している。アルフレッサHDは共同開発契約に基づき、同薬の研究開発費の一部を負担。開発・製造・流通・販売をグループ一体となって提供する「トータルサプライチェーンサービス」を通じて事業化を支援する。
アルフレッサHDが新中計、27年度に営業利益435億円
アルフレッサHDは5月15日、2025~27年度の中期経営計画を発表した。最終年度に売上高3兆3300億円(24年度は2兆9610億円)、営業利益435億円(同380億円)を目指す。本業の医療用医薬品等卸売事業では、ソリューション推進による収益基盤の構築やステークホルダーが求めるロジスティクス体制の構築などに取り組み、事業機会を拡大。医薬品の導入・開発、製造、物流・販売、市販後調査などをグループ一体となって提供する「トータルサプライチェーンサービス」や再生医療関連事業、医療周辺事業、海外事業に戦略的に投資する。投資額は3年間累計で1200億円を計画している。
テルモ、中国ウーシーの独工場買収…初の海外CDMO拠点
テルモは5月14日、中国のCDMOウーシー・バイオロジクスがドイツに保有する薬剤製品工場を1億5000万ユーロ(約246億円)で買収すると発表した。CDMO事業の生産拠点として活用し、生産キャパシティの拡充とグローバル対応力の強化を図る。テルモにとって初の海外のCDMO生産拠点となる。同工場では、プレフィルドシリンジ製剤やバイアル製剤を生産し、バイオ医薬品の成長に伴って高まるCDMOの需要に対応する。
決算
エーザイ(2025年3月期、5月15日発表)
▽売上収益7894億円(前期比6.4%増)▽営業利益543億7800万円(1.8%増)▽税引前利益610億6500万円(1.2%減)▽当期利益464億3200万円(9.5%増)――。アルツハイマー病治療薬「レケンビ」は443億円を売り上げ、前期の約10倍に拡大。抗がん剤「レンビマ」(3285億円、10.4%増)や不眠症治療薬「デエビゴ」(538億円、28.6%増)も伸びた。26年3月期は売上収益7900億円(0.1%増)、営業利益545億円(0.2%増)を予想。レケンビは72.8%増の765億円まで拡大させる計画だが、レンビマが後発医薬品や競合品の影響を受けて5%の売り上げ減となる見込み。
東和薬品(2025年3月期、5月15日発表)
▽売上高2595億9400万円(前期比13.9%増)▽営業利益232億4200万円(31.7%増)▽経常利益261億5200万円(6.8%増)▽純利益189億8600万円(17.4%増)――。国内で自社後発品への需要が拡大し、販売数量が増加。円安の影響もあって海外事業の売り上げも伸びた。26年3月期は売上高2800億円(7.9%増)、営業利益270億円(16.2%増)を見込む。
アルフレッサHD(2025年3月期、5月15日発表)
▽売上高2兆9610億5100万円(前期比3.6%増)▽営業利益380億8000万円(1.0%減)▽経常利益404億8500万円(1.2%増)▽純利益273億8900万円(7.3%減)――。特許品や新薬創出加算品を中心に販売は伸びたが、薬価改定の影響、仕入れ価格の上昇、人件費や物流費の増加などで減益となった。26年3月期の業績予想は売上高3兆1070億円(4.9%増)、営業利益371億円(2.6%減)。薬価改定や再生医療関連事業の開発投資などにより減益を見込む。