「エンハーツ」がん種横断の適応を日本で申請/MICINなど、がん注射薬でも完全リモートオンライン治験 など|製薬業界きょうのニュースまとめ読み(2025年4月24日)
更新日
AnswersNews編集部

第一三共「エンハーツ」がん種横断の適応を日本で申請
第一三共は4月24日、抗HER2抗体薬物複合体(ADC)「エンハーツ」(一般名・トラスツズマブ デルクステカン)について、がん種横断の適応となる「HER2陽性の進行・再発の固形がん」の適応を日本で申請したと発表した。申請は、HER2遺伝子増幅が認められた固形がん患者を対象に行われた医師主導治験など4つの臨床第2相(P2)試験の結果に基づく。エンハーツのがん種横断の適応は、昨年4月に米国で承認されている。
MICINなど、がん注射薬でも完全リモートのオンライン治験…国内初
愛知県がんセンターと聖マリアンナ医科大病院、MICIN(東京都港区)は4月24日、がん領域の注射薬で完全リモートのオンライン治験を行うと発表した。治験は、HER2遺伝子増幅が認められる固形がん患者を対象に、抗HER2 ADCトラスツズマブ デルクステカンの有効性・安全性を調べる医師主導治験。MICINのDCT(分散型治験)プラットフォーム「MiROHA」を使って遠隔で説明・同意取得を行い、検査や治験薬の投与は治験実施医療機関の指示の下、かかりつけ病院で行う。患者は1度も治験実施医療機関を訪れることなく治験に参加できる。がん領域の注射薬でこうした治験が行われるのは国内初という。
味の素、無菌充填受託の米子会社を売却
味の素は4月24日、医薬品の無菌充填製剤化の受託を手掛ける米子会社・味の素アルテアを、米CDMOのPackaging Coordinators(PCI)に売却すると発表した。売却額は2000万ドル(約29億円)。味の素アルテアは、味の素が2013年に約160億円で買収した企業。味の素は23年に米国の遺伝子治療CDMOを買収するなど、近年、ヘルスケア事業で高付加価値サービスへの注力を進めており、味の素アルテアは売却するのが適当と判断した。売却に伴い、味の素は25年3月期決算に298億円の減損損失を計上する。
ギリアド「トロデルビ」HR陽性・HER2陰性乳がんへの適応拡大申請
ギリアド・サイエンシズは4月24日、抗Trop-2抗体薬物複合体(ADC)「トロデルビ点滴静注用」(サシツズマブ ゴビテカン)について、「化学療法歴のあるホルモン受容体陽性かつHER2陰性の手術不能または再発乳がん」への適応拡大を申請したと発表した。申請は、CDK4/6阻害薬、内分泌療法、タキサン系抗がん剤による治療歴を有し、転移性疾患に対して2つ以上の化学療法歴のある患者を対象に行った海外P3試験と国内P2試験の結果に基づく。同薬は昨年11月からトリプルネガティブ乳がんの適応で販売されている。
ラクオリア テゴプラザン、米国P3試験で好結果…導出先が年内申請へ
ラクオリア創薬は4月24日、自社創製の胃酸分泌抑制剤テゴプラザンについて、サブライセンス先の米ブレインツリー・ラボラトリーズが米国で実施中のP3試験で良好なトップライン結果が得られたと発表した。試験は、びらん性胃食道逆流症と非びらん性胃食道逆流症を対象に実施。いずれの疾患でも主要評価項目を達成した。ブレインツリーは今年第4四半期に米国で申請を行う予定。ラクオリアはテゴプラザンの東アジア、北米、欧州の権利を韓国のHKイノエンに許諾しており、同社は米国とカナダの権利をブレインツリーにサブライセンスしている。
あすか製薬HD、山口惣大専務が社長に昇格
あすか製薬ホールディングスは4月23日、山口惣大代表取締役専務取締役(41)が社長に昇格する人事を発表した。6月24日付。現社長の山口隆氏は代表権のある会長に就任する。惣大氏は日立製作所を経て2016年にあすか製薬に入社し、21年6月から現職。
アルジェニクスジャパン、社長に後藤氏
アルジェニクスジャパンは4月24日、6月1日付で後藤太郎氏が社長に就任すると発表した。現社長のヘルマン・ストレンガー氏は5月31日付で退任する。後藤氏は2001年に岐阜大医学部を卒業。同大病院などで精神科臨床に従事したあと、日本イーライリリーやMSDでメディカル部門の要職を歴任。19年にブリストル・マイヤーズスクイブに入社し、メディカル本部長や血液領域事業部長、血液・腫瘍領域事業部長、バイスプレジデントを務めた。
東芝とタカラバイオ、mRNA送達システムの開発・製造支援で提携
東芝とタカラバイオは4月24日、mRNA送達システムの開発・製造支援サービスで業務提携したと発表した。東芝独自の脂質ナノ粒子(LNP)を活用したサービスで、東芝がLNPの設計・製造を、タカラバイオがmRNAの製造を担当。研究開発から治験までLNP設計・製造とmRNA製造をワンストップで提供する。
MeijiSeikaファルマ「レズロック」台湾で承認
MeijiSeikaファルマは4月24日、慢性移植片対宿主病治療薬「レズロック錠」(ベルモスジルメシル酸塩)が台湾で承認されたと発表した。同薬はROCK2阻害薬。日本とアジア12カ国の権利は、MeijiSeikaファルマと米カドモン・コーポレーションの合弁会社ロメック・ファーマが持っている。