
中央社会保険医療協議会(中医協)総会は4月9日、アムジェンの小細胞肺がん治療薬「イムデトラ点滴静注用」とCSLベーリングの遺伝性血管性浮腫治療薬「アナエブリ皮下注」の薬価収載を了承した。収載は16日。
イムデトラ点滴静注用(一般名・タルラタマブ)は、がん細胞のDLL3とT細胞のCD3に結合する二重特異性抗体。薬価は、非小細胞肺がん治療薬の抗EGFR/MET二重特異性抗体「ライブリバント」を比較薬とする類似薬効比較方式Iで算定された。
新規作用機序を持ち、標準治療が確立されていない3次治療以降で一定の有効性が示されていることなどが評価され、45%の有用性加算Iを取得。市場性加算I(15%)も適用され、外国平均価格調整による引き上げも行われた結果、薬価は1mg1瓶13万7100円、10mg1瓶132万6870円となった。ピーク時に投与患者数1800人、販売額247億円を見込む。
アナエブリ皮下注(ガラダシマブ)は、遺伝性血管性浮腫の主要開始因子である活性化血液凝固第XII因子を標的とする抗体医薬。薬価は、同じ遺伝性血管性浮腫の急性発作の発症抑制を適応とする血漿カリクレイン阻害薬「タクザイロ」を比較薬とする類似薬効比較方式Iで算定。有用性加算II(5%)と小児加算(5%)がついた結果、200mg1.2mL1キット303万7716円となった。ピーク時の予測投与患者数は266人、予測販売金額は84億円。
いずれも新薬創出加算の対象となり、イムデトラは費用対効果評価の対象にもなった。