サンバイオ「アクーゴ」2回目製造は適合、出荷へ前進/大正製薬、不眠症薬販売でMeijiSeikaファルマと提携 など|製薬業界きょうのニュースまとめ読み(2025年2月6日)
更新日
AnswersNews編集部

サンバイオ「アクーゴ」2回目製造は「適合」…出荷へ前進
サンバイオは2月6日、昨年7月に条件・期限付き承認を取得した再生医療等製品「アクーゴ脳内移植用注」(一般名・バンディフィテムセル)について、承認条件をクリアするために行った2回目の市販品製造で、すべての基準値を満たし適合となったと発表した。同社は適合する製造をもう1度行ったあと、その結果をもとに承認事項一部変更申請を行う方針。出荷可能となる時期は2026年1月期第2四半期(25年5~7月)を想定しており、これに向けて一歩前進した。アクーゴは、市販品と治験製品の同等性/同質性を評価し、必要な一部変更承認を取得するまで出荷しないことが承認条件の1つとされている。1回目の市販品製造は不適合となり、出荷時期を3カ月先送りしていた。
大正製薬 不眠症薬ボルノレキサント、MeijiSeikaファルマと販売提携
大正製薬は2月6日、国内で承認申請中の不眠症治療薬ボルノレキサント水和物について、MeijiSeikaファルマと国内販売権許諾に関する契約を締結したと発表した。承認取得後、両社は販売と情報提供活動を共同で行う。同薬は大正製薬が創製したオレキシン受容体拮抗薬。昨年9月に申請を行った。
ツムラ、3月期業績予想を修正…売り上げ下振れも費用減で利益上積み
ツムラは2月6日、2025年3期の業績予想を修正したと発表した。修正後の予想は▽売上高1823億円(従来予想比27億円減)▽営業利益400億円(5億円増)▽経常利益440億円(45億円増)▽純利益340億円(55億円増)――。限定出荷解除後の販売回復の遅れなどで売上高は下振れする一方、加工費や販管費などが計画を下回ったことや為替の影響などで利益は従来予想を上回る。
ユーシービー「ビンゼレックス」剤形追加が承認
ユーシービージャパンは2月6日、抗IL-17A/IL-17F抗体「ビンゼレックス」(ビメキズマブ)について、皮下注320mg オートインジェクターの剤形追加の承認を取得したと発表した。尋常性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症、化膿性汗腺炎の適応では1回320mgを投与するが、従来は160mgのシリンジ製剤かオートインジェクター製剤を2本使う必要があった。
KMバイオ「バイクロット」の新規格製剤発売
KMバイオロジクスは2月6日、血友病治療薬「バイクロット配合静注用5mL/10mL」(乾燥濃縮人血液凝固第Ⅹ因子加活性化第VII因子)を発売したと発表した。従来品の2倍量・4倍量規格の製剤。10度以下で保存する必要がある従来品と異なり、室温での保存が可能で、患者が自宅で薬剤を保管しやすくなる。
UBE、山口大とがん免疫療法の共同研究
UBEは2月6日、山口大大学院消化器・腫瘍外科学講座と、消化器がんに対する免疫療法の共同研究を開始したと発表した。がん細胞周辺の免疫環境をホットな状態(免疫細胞が活発に働き、がん細胞への攻撃が効果的に行われやすい状態)に誘導する戦略を構築し、免疫チェックポイント阻害薬の治療効果を高めることを目指す。同講座は腫瘍内部の免疫反応を活性化する複合免疫製剤を開発しており、共同研究ではこれを使って免疫細胞浸潤やその活性化の促進を図る。
決算
協和キリン(2024年12月期、2月6日発表)
▽売上収益4955億5800万円(前期比12.1%増)▽コア営業利益954億500万円(1.4%減)▽税引き前利益834億5300万円(14.2%減)▽当期利益598億7000万円(26.3%減)――。主力のX染色体連鎖性低リン血症治療剤「クリースビータ」が海外で1848億円(30.2%増)を売り上げ、抗がん剤「ポテリジオ」の海外売り上げも34.3%増の381億円に拡大。国内は薬価改定やバイオシミラーの影響で8.4%の減収となった。英オーチャードの買収などで研究開発費が膨らみ、コア営業利益は減益。25年12月期は売上収益4780億円(3.5%減)、コア営業利益800億円(16.1%減)を予想。APAC(アジア太平洋)の事業再編などが影響する。
デンマーク・ノボノルディスク(2024年12月期、2月5日発表)
売上高2904億300万デンマーククローネ(前期比25%増、6兆1585億円)、純利益1009億8800万デンマーククローネ(21%増、2兆1416億円)。糖尿病治療薬「オゼンピック」(1203億4200万デンマーククローネ、26%増)や肥満症治療薬「ウゴービ」(582億600万デンマーククローネ、86%増)が好調だった。25年12月期は為替の影響を除いて16~24%の増収を見込む。
英グラクソ・スミスクライン(2024年12月期、2月5日発表)
売上高313億7600万ポンド(前期比3%増、約5兆9634億円)、純利益25億7500万ポンド(前期比48%減、約4895億円)。抗HIV薬が計70億8900万ポンド(10%増)と伸び、喘息治療薬「ヌーカラ」などの呼吸器領域(9%増)やがん領域(93%)も好調だった。一方、胃薬「ザンタック」の発がん性をめぐる訴訟の和解費用を計上したことで利益は大きく減少した。25年12月期は3~5%の増収を予想している。