アステラス「IZERVAY」日本で条件付き承認申請 など｜製薬業界きょうのニュースまとめ読み（2025年2月5日）

アステラス「IZERVAY」日本で条件付き承認申請

アステラス製薬は2月5日、地図状萎縮を伴う加齢黄斑変性の治療薬avacincaptad pegolについて、日本で条件付き承認制度に基づく承認申請を行ったと発表した。同薬は補体C5阻害薬のRNAアプタマー。網膜細胞の変性を引き起こす補体系の活性を低下させ、地図状萎縮の進行を遅らせると考えられている。申請の根拠とした海外臨床試験では、地図状萎縮の進行を遅らせる効果が投与開始から2年間にわたって持続することが確認された。同薬はアステラスが2023年に買収した米アイベリック・バイオの開発品で、米国で同年8月に「IZERVAY」の製品名で承認を取得。英国やカナダ、オーストラリアでも申請している。一方、欧州ではEMA（欧州医薬品庁）との議論を踏まえて承認を取り下げ、国ごとに個別の承認取得を目指して主要国の当局と議論している。

楽天メディカル、光感受性物質「IR700」製造技術移管を完了

米楽天メディカルは2月5日、アルミノックス治療（光免疫療法）に使う光感受性物質「IRDye700DX（IR700）」について、米ライコア・バイオサイエンシズからの製造技術移管が完了したと発表した。IR700は楽天メディカルの光免疫療法用薬「アキャルックス」に使用されており、同社は2021年にライコアからIR700の製造・販売の権利を取得。技術移管を進めてきた。楽天メディカルはIR700を自社製造することで光免疫療法の技術基盤と事業基盤を強化するとともに、ほかの企業や大学・研究機関に供給することで治療技術の発展を支援する。

決算

米メルク（2024年12月期、2月4日発表）

売上高641億6800万ドル（前期比7%増、約9兆8224億円）、純利益171億1700万ドル（4589%増、約2兆6202億円）。買収に伴って研究開発費が大きく膨らんだ前期の反動で大幅な増益となった。主力のがん免疫療法薬「キイトルーダ」の売上高は前期比18%増の294億8200万ドル。がん治療薬「WELIREG」も倍増した。25年12月期の売上高は641億～656ドルと予想している。

米ファイザー（2024年12月期、2月4日発表）

売上高636億2700万ドル（前期比7%増、約9兆7410億円）、純利益80億3100万ドル（279%増、約1兆2295億円）。昨年から進めているコスト削減が奏功し、大幅な増益。抗凝固薬「エリキュース」（73億6600万ドル、9%増）やアミロイドーシス治療薬「ビンダケルファミリー」（54億5100万ドル、64%増）などが販売を拡大し、米シージェン買収で獲得した抗体薬物複合体「パドセブ」「アドセトリス」も増収に貢献した。新型コロナウイルス感染症ワクチン「コミナティ」の売上高は53億5300万ドル（52%減）、同治療薬「パクスロビド」は57億1600万ドル（347%増）だった。25年12月期は610億～640億ドルの売り上げを見込む。

米アムジェン（2024年12月期、2月4日発表）

売上高334億2400万ドル（前期比19%増、約5兆1146億円）、純利益40億9000万ドル（39%減、約6259億円）。主力の高コレステロール血症治療薬「レパーサ」（22億2200万ドル、36%増）や骨粗鬆症治療薬「イベニティ」（15億6300万ドル、35%増）などが好調で、新製品の甲状腺眼症治療薬「テッペーザ」（18億5100万ドル）も前期から4倍以上売り上げを増やした。一方、ホライゾン・セラピューティクス（アイルランド）の買収に関連する費用が利益を押し下げた。25年12月期の売上高予想は343億～357億ドル。

米リジェネロン（2024年12月期、2月4日発表）

売上高142億200万ドル（前期比8%増、約2兆1729億円）、純利益44億1300万ドル（12%増、約6752億円）。眼科用VEGF阻害薬「アイリーア」の高濃度製剤が売り上げを伸ばし、がん免疫療法薬「リブタヨ」（12億1700万ドル、41%増）も拡大。アトピー性皮膚炎などの治療薬「デュピクセント」の販売増に伴い、仏サノフィからの提携収入も2割近く増えた。