「レケンビ」静注維持投与が米で承認/KMバイオロジクスのエムポックスワクチン、コンゴに無償供与 など|製薬業界きょうのニュースまとめ読み(2025年1月27日)
更新日
AnswersNews編集部

(写真:ロイター)
エーザイ「レケンビ」静注維持投与が米国で承認
エーザイは1月27日、アルツハイマー病治療薬「レケンビ」(一般名・レカネマブ)について、米国で4週に1回の静注による維持投与が承認されたと発表した。隔週投与による18カ月間の初期治療を受けた患者が対象。臨床試験では18カ月間の隔週投与で症状の悪化を27%抑制したが、治療を中止すると進行の速度がプラセボ群と同等になることが示されている。エーザイは継続投与で治療効果の持続が可能になるとしており、投与頻度を減らして患者や介護者の負担を軽減する。米国では今年1月、皮下注製剤による維持投与の申請もFDA(食品医薬品局)に受理され、審査終了目標日は8月31日に設定された。
政府 KMバイオロジクスのエムポックスワクチン、コンゴに無償供与
厚生労働省は1月27日、KMバイオロジクスのエムポックスワクチン「乾燥細胞培養痘そうワクチンLC16『KMB』」をコンゴ民主共和国に無償供与したと発表した。コンゴ政府からは305万回分の供与要請があり、まず5万回分のワクチンと注射針(ニプロ製)を届けた。残りについては、コンゴ側も含めて準備ができ次第、輸送する予定。供与に先立ち日本政府は、厚労省職員や国立国際医療研究センターの専門家をコンゴに派遣し、同国の保健機関の接種指導者にトレーニングを行った。KMバイオロジクスのワクチンは、2022年8月に日本でエムポックス予防の適応を取得。24年11月にはWHO(世界保健機関)の緊急使用リストに登録された。同ワクチンは1回接種で予防効果を発揮し、乳幼児を含むすべての年齢層に使用できる。
日本新薬、スイス企業からNLRC4異常症/XIAP欠損症治療薬のオプション契約
日本新薬は1月27日、スイスのAB2 BIOがNLRC4異常症とXIAP欠損症を対象に欧米で開発しているIL-18結合タンパク質製剤tadekinig alfaについて、米国での独占的商業化に関するオプション契約を結んだと発表した。日本新薬がオプション権を行使し、AB2が米国で承認を取得した場合、日本新薬の米国子会社が販売する。tadekinig alfaは過剰に産生されたIL-18に特異的に結合することで、IL-18に関連する免疫・炎症反応を抑制する。AB2は北米と欧州で臨床第3相(P3)試験を終えており、米国で申請に向けた準備を進めている。NLRC4異常症とXIAP欠損症は希少で重篤な遺伝性自己免疫疾患で、IL-18の過剰産生が炎症症状を引き起こす。多くは乳幼児期に発症し、生涯にわたって炎症が持続する。
タカラバイオ、ViSpotを子会社化…サンスターから株式取得
タカラバイオは1月27日、サンスターから同社子会社ViSpot(神戸市)の全株式を取得し、子会社化すると発表した。ViSpotはウイルス安全性評価試験の受託サービスを提供する企業。タカラバイオは同社を子会社化することでウイルス安全性評価試験受託サービスをCDMOサービスに組み込み、CDMO事業の拡大を目指す。